王者の牙城崩し、世代交代 アルカラス時代到来の予感

男子シングルス決勝でプレーするカルロス・アルカラス=ウィンブルドン(共同)

 大舞台で王者の牙城を崩し、世代交代を印象付けた。テニスのウィンブルドン選手権男子シングルスで16日、カルロス・アルカラスが20歳72日で大会初制覇を果たした。1968年のオープン化以降の同種目ではボリス・ベッカー(ドイツ)の17歳227日、ビョルン・ボルグ(スウェーデン)の20歳27日に次ぐ年少記録となった。

 大会が進むにつれ芝コートに適応し、ドロップショットなど多彩な攻撃を披露した。全仏オープン準決勝では屈したノバク・ジョコビッチに対し「恐れている場合じゃないし、疲れている場合じゃない」と強い精神力で雪辱を果たした。

 準々決勝で20歳のホルガー・ルネ(デンマーク)、準決勝では27歳のロシア出身、ダニル・メドベージェフにいずれもストレート勝ちした。「芝の王者」フェデラーが昨年引退し、母国スペインの英雄ラファエル・ナダルは来季限りで現役引退する。アルカラスは新時代の到来を予感させた。

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