食虫植物が虫と戦うヒーローに 食べられる虫になって記念撮影も とちぎ花センター

ハエトリグサの葉のオブジェに入って遊ぶ親子連れ

 食虫植物が正義の戦隊ヒーローとなり、悪い虫と戦う-。そんなストーリーの企画展「食虫植物展 食虫戦士タベンジャー」が15日、栃木県栃木市岩舟町下津原のとちぎ花センター鑑賞大温室で始まった。約35種150株を展示するとともに、擬人化した食虫植物が得意技(捕虫方法)で敵を倒していく物語を漫画で紹介。その見た目から敬遠されがちな食虫植物に、子どもたちの憧れと関心を集めようと独自に企画した。

 食虫植物展は同センター夏場の恒例企画。二枚貝のような葉を閉じてハエを捕らえる「ハエトリグサ」、葉の先に消化液が入った袋を付ける「ウツボカズラ」などが例年同様に並ぶが、今年は五つのブースごとに株をまとめ、戦隊もののストーリー仕立てとした。

 タベンジャーは、赤がイメージカラーの「ハエトリグサ・クローザー」、緑の「ウツボカズラ・リップ」、すみれ色の「ムシトリスミレ・ビューティ」、青の「サラセニア・スマート」、黄色の「モウセンゴケ・キャッチ」の“5人”組。地球侵略をたくらむ「Gキング(ゴキブリ)」や「ナメクイーン(ナメクジ)」のほか、ハエなどの虫型宇宙人と戦う。最後は巨大化したGキングに対し、力を合わせて-。

 企画した稲葉英雄(いなばひでお)次長は「子どもからキモい、怖いと言われる食虫植物だが、発想を逆転させてヒーローとすることで興味を持ってほしかった」と話す。キャラクターデザインやストーリーは絵が得意な職員とその姉の漫画家に依頼した。

 会場には、ハエトリグサの葉をイメージした等身大の食虫植物型巨大ロボ「ハエトラナイト!」も登場。中に入れば、食べられる虫の気持ちになって写真撮影できる。ウツボカズラのオブジェでは、落ちたら出られない絶望感も味わえる。

 入館者にはタベンジャーのシールを日替わりでプレゼントする。9月3日まで。月曜休園(7月17日は開園、同18日は休園)。午前9時半~午後4時(最終日は3時)。入館料大人410円、小中学生無料。(問)同センター0282.55.5775。

「食虫植物展 食虫戦士タベンジャー」のチラシ

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