写真家・岩合光昭、NHK人気番組での「猫との意思疎通法」明かす

「阪急うめだ本店」(大阪市北区)で開催中の『写真展 岩合光昭の日本ねこ歩き』。動物写真家・岩合光昭が7月16日に会場を訪れ、こだわりの撮影方法などについて語った。

大阪会場限定の作品コーナーを訪れた動物写真家・岩合光昭氏(16日・大阪市内)

世界各国のねこの姿を岩合が追うドキュメンタリー番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』(NHK BSプレミアム)の10周年を記念した同展。今回は国内16カ所での作品を厳選し、四季とともにねこと人の暮らしぶりを撮影した新作写真を鑑賞できる。

「番組で訪れていないのは残り4県」というほど、全国各地の猫たちと触れ合ってきた岩合。県民性のような猫の地域性について、「人が違えば、猫も違う。大阪のように人が多い所では敏感な猫たちが多く、都会の猫は人を見る目が長けている」との印象があるそう。

環境によりカメラの構え方を変え、「都会の猫には最初から膝を折って、猫の視線に近い位置から『大丈夫だよ』と声がけすることが多いですが、人の少ない地域ではまず猫のご主人など人と仲良くなることで安心して近寄ってくれますね」と撮影の裏側を明かした。

会場入口に猫イラストとサインを書く岩合氏(16日・大阪市内)

猫写真を撮るコツを問われると「よく猫写真を募集すると、顔の写真が多いです。でも猫って顔だけじゃないので(笑)、前足のポーズのよさや全体の動きのおもしろさ、光で輪郭がすごく美しくなったり。自分が思うかわいさじゃなく、猫が全身で醸し出すかわいさを発見したら、明日から写真が違ってくるのでは」と提言。

さらに「みなさんは、バックに家具を入れたり欲張る(笑)。僕は引き算で、いろんなものを排除します」と猫を際立たせるための「シンプルさ」を意識するという。

同展では、「人がいない、猫が現れる時間を狙って行きました」と明け方に撮影した通天閣と猫の風景など、大阪会場限定の9作品も登場する。『写真展 岩合光昭の日本ねこ歩き』は8月7日まで開催。会場は「阪急うめだ本店」9階「阪急うめだギャラリー・アートステージ」にて、時間は朝10時~夜8時(最終日は18時閉場)。入場料は一般800円ほか。

取材・文・写真/塩屋薫

『写真展 岩合光昭の日本ねこ歩き』

期間:2023年7月12日(水)~8月7日(月)
時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)
会場:阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリー・アートステージ(大阪府大阪市北区角田町8−7)
料金:一般・大人800円・小中高学生600円

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