第105回全国高校野球長崎大会・第9日 大崎、攻守隙なし コールド勝ちで8強

【3回戦、長崎総合科学大付―大崎】3回裏大崎無死二、三塁、川原が右中間に2点適時打を放つ=県営ビッグNスタジアム

 第105回全国高校野球選手権記念長崎大会第9日は16日、長崎市の県営ビッグNスタジアムなどで3回戦4試合が行われ、大崎、長崎日大、長崎商、清峰のシード4校が準々決勝へ進んだ。
 大崎は長崎総合科学大付に9-0で七回コールド勝ち。長崎日大も壱岐を9-2の七回コールドで退けた。長崎商は島原中央を2-0で振り切り、清峰は瓊浦に3-1で競り勝った。
 第10日は17日、ビッグNなどで3回戦残り4試合を実施する。

◎大崎 10イニング連続無四球無失点

 第1シード大崎が攻守で安定感を発揮して準々決勝へ進んだ。打っては9安打に6犠打を絡めて効率よく9得点、投げては野口惺が救援した2回戦に続いて10イニング連続で無四球無失点。これまで故障で野手に専念してきた山口莉も昨春以来の県大会のマウンドに上がって注目を浴びた。
 清水監督が「今までで一番だと思う」と手応えを口にするのは攻撃陣。この日は打順が二回り目に入って勢いを増した。
 三回、四球と中村の右越え二塁打で無死二、三塁とすると、川原がフルカウントから右中間へ運んで2点。さらに2回戦で本塁打を放った宮原が手堅く三塁へ送り、塚野の犠飛で1点を加えた。四回は下位打線の3人で1点、六回は打者一巡で試合の大勢を決めた。
 投手陣は野口惺が130キロ台後半の直球にカットボールなどを巧みに織り交ぜて6回散発3安打。復帰の夏に背番号1を託された山口莉は中堅でスタメン出場し準備が十分でないながらも、全17球のうち16球を直球で押し、最速143キロで2三振を奪った。2回戦で先発した大橋を含めた右腕3人それぞれがエース級の力を示している。
 3安打に加えて守備でも投手陣をリードした川原は「つなぐバッティングができて、テンポ良く守れた。次もいい配球をしたい」と自信を深めた様子。悲願の夏切符獲得に向けて、野口惺と山口莉も「どんなときでも抑えるのが自分の義務」、「苦しい時も(投手陣)3人で助け合う」と力強かった。


© 株式会社長崎新聞社