成犬の食糞をやめさせたい!うんちを食べてしまう4つの心理や考えられる悪影響、適切な対処法とは?

成犬がうんちを食べてしまう4つの心理

犬がうんちを食べてしまう「食糞」。食糞は好奇心旺盛な子犬に多く、成長とともに治まることがほとんどだといわれますが、なかには成犬になっても食糞をやめない犬もいます。なぜ成犬になっても食糞するのでしょうか?

今回は、成犬の食糞について考えられる理由や犬の心理をご紹介します。

1.暇つぶし

犬は暇つぶしで食糞することがあります。

留守番中などに寂しさや暇を感じた犬は、目の前にある自分のうんちを食べてしまうのです。オモチャ代わりに遊んでいるうちに食べてしまうこともあるようですよ。

2.隠したい

食糞は、犬が「うんちを隠したい」という気持ちから起きることもあります。

これはトイレトレーニング中にうんちをトイレ以外の場所にして叱られ「うんちをする=叱られる」と誤解して学習した犬に多い行動です。

また、所有欲から「ご主人にうんちを持っていかれたくない」と食べてしまう犬もいます。

3.飼い主の気を引きたい

愛犬の食糞を見た飼い主が「キャー!」「ダメー!」と騒いでしまうのも、食糞の原因になります。

犬は飼い主が大騒ぎしているのを見て「うんちを食べると構ってくれる」と感じてしまい、わざと食糞をするようになるのです。

4.足りない栄養を補充したい

栄養不足や消化不良も食糞の原因になります。食事から充分な栄養が取れていない場合、犬はうんちを食べて栄養を補充しようとします。

単純に食事の量が足りず、お腹が空いてうんちを食べてしまうこともあるでしょう。

犬が食糞することで考えられる悪影響

食糞で最も注意しなくてはいけないのが、犬が自分以外の犬のうんちを食べてしまう行動です。

他の犬のうんちを食べると、寄生虫や感染症がうつってしまう可能性があり大変危険です。愛犬には他の犬のうんちは絶対に食べさせないようにしましょう。

一方、多くの飼い主が悩んでいる、犬が自分のうんちを食べる食糞は健康に影響ないことがほとんどです。

しかし、犬がうんちを食べた口で飼い主の顔を舐めたりすると不衛生ですし、食糞は飼い主が見ていて気分が良い行動ではありません。

成犬が食糞する時の対処法

成犬の食糞は改善が難しいといわれますが、犬と飼い主がストレスなく一緒に暮らすためにも改善に向けて取り組んでみましょう。

食糞への対処には次の方法があります。

  • フードの種類や量を変える
  • 健康状態に問題がないか確認する
  • うんちはすぐに処理する
  • 犬のストレスを解消させる
  • うんちを不味くする

食糞はドッグフードを消化吸収の良い物に変えるだけで治まることがあります。ただし、フードを変える時は一気に変えず少しずつ切り替えましょう。量は愛犬の体重や運動量に合わせて調整してください。

犬がうんちをしたら食糞する前に処理することも大切です。愛犬が留守番中に排泄する場合は、食事や散歩の時間をずらして飼い主がいる時に排泄するよう調整してみましょう。

退屈からくる暇つぶしも食糞の原因となるため、愛犬とたくさん遊んだり、お出かけするなど刺激的でストレスの少ない生活をさせることも意識してください。留守番中はコングなどを利用してみてくださいね。

また、うんちにレモン汁やタバスコなどをかけて不味くするという方法もあります。食糞対策として専用の商品も販売されているので、一度試してみるのも良いかもしれません。

これらの対処をしても改善しない場合は、犬の健康状態に異常がないか動物病院で診察を受けておくと安心です。

まとめ

犬がうんちを食べるのは異常なことではありません。母犬が子犬のうんちを食べたり、子犬が栄養補給や好奇心から食糞するのはいたって普通の行動です。

たとえ成犬になった愛犬が食糞しても決して叱らないでください。

もし叱ってしまうと、犬はうんちを隠そうと食糞行動をエスカレートさせたり、排泄を我慢するようになってしまいます。

成犬の食糞にお悩みの方は、この記事を参考にしながら冷静に対処してみてくださいね。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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