熱中症対策で総帆展帆行わず 富山県射水市の海王丸パーク

照りつける太陽の下、海王丸の展帆作業を終えたボランティア=海王丸パーク

 3連休最終日で「海の日」の17日、富山県射水市海王町(新湊)の海王丸パークで、帆船(はんせん)「海王丸」の展帆(てんぱん)作業が行われた。気象庁と環境省が同日の富山県について「熱中症警戒アラート」を出していたことを受け、作業時間を短縮し、全29枚のうち11枚の帆を張った。

 ボランティア91人と伏木富山港・海王丸財団の職員12人の計103人が参加した。担い手不足の解消に向け、6月にボランティアに登録された富山国際大の現代社会学部観光専攻の学生6人が初めて加わった。全ての帆を張る「総帆(そうはん)展帆」を実施できる人数がそろっていたが、同財団は炎天下で作業する参加者の体調を考慮し、規模を縮小した。

 ボランティアの宮田和郎(かずお)さん(75)=砺波市鷹栖=は「熱中症が怖いので、水分を小まめに補給するなど気を付けて作業した」と話した。

 海の日に合わせ、船乗りが出港の見送りに感謝を示す儀式「登しょう礼」があり、参加者が船上で手を振り見学者にあいさつした。

熱中症で県内11人搬送 暑さで地鉄レールゆがむ

 17日の県内は、前日に続いて厳しい暑さに見舞われ、富山地方気象台によると富山市秋ケ島(富山空港)で36.2度、氷見で35.6度、富山で35.5度を観測し、最高気温が35度を超える「猛暑日」となった。高岡(伏木)も34.0度まで上がり、県内全10観測地点で30度を超えた。熱中症とみられる症状で富山、高岡、射水、南砺、氷見、立山の6市町の計11人が搬送され、このうち立山町の70代女性は中等症のもよう。

 富山地方鉄道では午後2時55分ごろ、不二越・上滝線の開発-月岡駅間で、走行中の列車の運転士が線路の異常を確認したため、開発-岩峅寺駅間で運転を一時見合わせた。暑さの影響でレールがゆがんだとみられる。補修して約1時間後に運転を再開した。列車1本が区間運休した。

 同気象台によると、18日は晴れで夕方から曇る見込み。予想最高気温は富山、高岡ともに33度。

11枚の帆が張られた海王丸=海王丸パーク
作業後に記念撮影するボランティアら
船上から帽子を振ってあいさつするボランティア

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