新しい感覚×昔ながらの文化…ウナギ料理「激戦区」浦和に新店 素材生かす熟練の技で挑戦 「鰻のぶはら」

うな重(肝吸い、香の物付き)

 埼玉県さいたま市の浦和地域の名物、ウナギ料理。老舗料理店がひしめく激戦区にJR浦和駅西口から徒歩5分、駅からも近い立地に4月、「鰻のぶはら」がオープンした。店主、延原義章さん(47)は、老舗ウナギ料理店で25年の職人歴を重ね、満を持して独立。国産ウナギ、独自のたれを熟練の技で、素材を生かしたこだわりのうな重を作り上げる。

 店内は調理風景が見えるカウンター6席とテーブル席が14席。落ち着いた雰囲気が漂う。「さばきたて」「蒸したて」「焼きたて」の実現と店舗の広さにもこだわったという。

 昼、夜ともメニューは同じ。うな重は「上」(肝吸い、香の物付き、5300円税込み)から、「特上」「特特上」の3種類。ウナギの産地も時期によって延原さんの経歴を生かした目利きで変えている。

 この日のウナギは、愛知県三河産を提供した。注文から提供までは25分程度。たれは、餅米の関東みりんと東京しょうゆに厳選したざらめを少しブレンド。甘辛が絶妙で「色つけ」「味のせ」「照りつけ」の3度、たれをくぐらせ、丁寧に紀州備長炭を操りながらかば焼きを仕上げていく。

 風味が上品で、皮が薄く肉厚でしっかり蒸されてふわっとしていて柔らかい。ご飯も粒の食感がしっかりと味わえ、かば焼きとたれの調和が引き立つ完成度の高いうな重を堪能できる。

 「競合ぞろいの浦和で挑戦したい。ユーチュ―バーの配信で若者の来店も増えている。新しい感覚と昔ながらのウナギ文化を保つウナギ屋を目指したい」と延原さん。新旧のスタイルを持ち併せるウナギ屋にぜひ、特別な日には訪れてみたい。

紀州備長炭を操りながら丁寧にかば焼きを仕上げていく延原さん

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