スペインのマドリード、市街地コースでのF1開催に向け契約締結を進めていることが明らかに

 マドリードにあるIFEMAの催事及びコンベンションセンターの実行委員会長ホセ・ビセンテ・デ・ロス・モソスは、同施設周辺でのF1のストリートレースが実現するだろうと考えている。

 世界規模で大きな成功を収めているF1に対して、世界中の開催地や主催者候補が関心を寄せている。1年前、スペインの首都であるマドリード市は、将来のある時点で市街地でグランプリレースを開催したいという意向を、フォーミュラワン・マネジメントに伝えた。その意向は正式なプロジェクト発足へとつながり、IFEMAが支援することになった。IFEMAは公的機関によって運営されているマドリードの主要な会議及びコンベンションセンターであり、F1のストリートサーキットに適した地域に建っている。

 IFEMAは今年3月から、F1初の公式巡回展『F1 Exhibition』の開催会場にもなっている。同展では、グランプリレースの最も伝説的なチームや著名人に関わる、これまで目に触れなかったゆかりの品々が幅広く展示されている。

マドリードで開催されている『F1 Exhibition』

「いつ契約を締結し、取り組むことになるかはわかっている」とデ・ロス・モソスは、将来のレース開催契約についての議論のなかで語ったと『Europa Press』は報じた。

「我々は指示されたプロセスに従っている。最初の時点でスペイン自動車連盟には知らせていた。独占交渉契約に署名し、今では契約締結を進めている」

 このイベントがマドリードGPとなってカレンダーに登場するのか、それともバルセロナに代わって正式にスペインGPとなるのかは不明だ。現在、バルセロナ-カタロニア・サーキットは2026年までのレース開催契約を結んでいる。

 先月のF1の『Beyond the Grid』ポッドキャストで、F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、マドリードがF1世界選手権のラウンドの開催地として名乗りを上げたことを認めた。しかし、スペインでのF1人気を考えればF1側の関心も高いだろうが、ドメニカリはマドリードの取り組みの実現について確証は何も示さなかった。

「マドリードが将来レースを開催したいと考えているのは事実だ」とドメニカリは語った。

「これまでのところは、何の決定も下されていない。これはF1の健全な状態を示す素晴らしい兆候のひとつだ。そして政治的議論はまったく関与しない、ビジネス、技術、スポーツ面の議論のみを行う適正な競争だ。我々は今後数カ月の時間をかけるだろう」

「F1の最善の利益のために、我々は正しい決断を下す。それは確かなことだ」

「しかしバルセロナとの契約があと数年あることも忘れてはならない。我々はバルセロナの今後の対応に非常に満足している。当然ながら、全体のすべてのレベルにおいて必要とされる改善が進められるようになるからだ」

「そして今はもちろんフェルナンド(・アロンソ)が非常に素晴らしいパフォーマンスを見せているし、フェラーリにはカルロス・サインツがいる。ふたりには多くのファンがいる」

「スペインではテレビ視聴率が驚くほど伸びている。だから現在の市場は非常に強力だ。将来に向けてこうした希望を持てるのは素晴らしいことだ」

2023年F1第8戦スペインGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)&カルロス・サインツ(フェラーリ)

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