米軍兵士が北朝鮮に越境 身柄拘束か、懲戒処分予定

南北軍事境界線がある板門店。手前が韓国側、奥が北朝鮮側=2018年4月(韓国共同写真記者団・共同)

 【ソウル共同】在韓国連軍司令部は18日、北朝鮮との軍事境界線がある板門店の共同警備区域(JSA)の見学ツアーに参加していた米国人1人が無断で越境する事件が発生したと明らかにした。米国人は北朝鮮側で身柄を拘束されているとみられる。複数の米当局者はロイター通信に、越境したのは米軍兵士だと述べ、軍の懲戒処分を受ける予定だったと明らかにした。

 国連軍司令部は事件解決に向けて北朝鮮側と協力していると説明している。

 米国は身柄解放を求めて北朝鮮に交渉を要請するとみられる。北朝鮮にとって米国人の身柄は重要な取引材料で、交渉に利用する可能性がある。両国間の新たな火種となりそうだ。

 韓国紙の朝鮮日報(電子版)は18日、在韓米軍軍人の亡命だとすれば、1965年に越境した後に拉致被害者の曽我ひとみさんと結婚したチャールズ・ジェンキンスさん(2017年死去)以来だと伝えた。ジェンキンスさんは北朝鮮のプロパガンダ映画に出演するなどしていた。

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