大学茶道部の合宿誘致 「加賀茶道」金沢市が今年度

学生大茶会でお点前を披露する金沢学院大の学生=2022年8月、金沢市のしいのきプラザ

  ●茶室利用料を助成

 金沢市は今年度、大学の茶道部の合宿誘致に乗り出す。市内で開催される全国学生大茶会(北國新聞社特別協力)に参加を申し込んだことのある大学を対象に、茶室の利用料金などを助成し、茶の湯文化が根付く金沢での稽古を呼び掛ける。市は全国の学生に研さんを積んでもらうとともに、加賀藩の文化を受け継ぐ「加賀茶道」の発信につなげる。

 茶室利用料金の助成では、茶室の借り上げ料金や冷暖房費を市が負担する。補助率は2分の1となる。学生らの合宿誘致に取り組む金沢文化スポーツコミッションと連携し、全国学生大茶会の抽選に漏れた大学茶道部などに金沢での合宿を促す。

 18日に開かれた市議会文教消防常任委員会で、市が方針を示した。

  ●9月に学生大茶会、全国28校参加

 今年の全国学生大茶会は9月2、3日に旧中村邸や耕雲庵、松涛庵、しいのき迎賓館など10会場で開かれる。参加校は昨年度に比べて4校多い28校で、茶道を通じて学生同士の交流を深めてもらう。

 市によると、41校から申し込みがあったが、利用できる茶室が限られるため、抽選で28校に絞った。

 学生大茶会は2019年8月に初めて開かれた。20年度からは新型コロナの影響で2年連続中止となり、21年度は代替事業として各大学の茶道部がリレー形式で茶席を設けた。

 昨年度は大茶会を3年ぶりに開催し、「リレー茶会」も継続したが、今年度はリレー茶会を開かず、大茶会のみとする。コロナ対策で実施していた1席当たりの人数制限は設けない。

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