佐伯市大島の高齢者対象、買い物代行事業始まる 「助かる」評判は上々【大分県】

買い物代行で注文を受けた品を選ぶ鶴鶴クラブのメンバーら=佐伯市鶴見地松浦のAコープ九州鶴見店
受注した商品を詰めた保冷バックを松浦港に運び込む関係者=佐伯市鶴見沖松浦

 【佐伯】佐伯市の有人離島の一つ「大島」(56世帯、87人=6月末現在)の高齢者を対象にした買い物代行事業が始まった。今春、島内にあった唯一の商店がなくなり、日用品の調達が困難になっていた。高齢化率が高く、島外へ買い物に出かけるのが難しい人も多いことから市鶴見振興局、市社会福祉協議会などが支援策を協議。関係機関の協力もあって実現にこぎ着けた。

 事業は毎週火曜の昼までに希望世帯から注文を受け付け、水曜に同市のボランティア団体「鶴鶴クラブ」(仲矢茂雄会長)が買い物を代行。県漁協鶴見支店が荷物を漁船で島に運び、同振興局の行政窓口がある「むつみ苑」に集積後、受け取りに来た各世帯に渡したり送ったりする。

 6月最終週からこれまでに3回実施。1回目23世帯、2回目23世帯、3回目17世帯と「予想以上」(同振興局)の利用があった。島内の移動も難しい高齢者もいるため、「助かる」―と反応、評判は上々の様子。

 協力団体・事業所は反省、課題修正を繰り返しながら取り組んでいる。

 今月12日の3回目では、買い物代行の場を提供するAコープ九州鶴見店(同市鶴見地松浦)が開店30分前に売り場を開放した。同クラブの女性メンバーら6人は注文票と照らし合わせながらパン、酒、野菜、果物などを次々に購入。「どこにどんな商品が並んでいるか」を把握するなど、個々のスキルアップでよりスムーズに作業進行が図れるよう努めている。

 「楽しんでやってますよ」と同クラブ関係者。同振興局は「続けていく中で課題は出てくる。少しずつ改善して、受益者負担で運用できる仕組みができれば」と話した。

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