漂着ごみを価値あるものに 長崎・対馬でシンポジウム 課題や解決策など考える

比田勝対馬市長(右端)や学識者、環境省職員らが登壇したパネルディスカッション=市交流センター

 長崎県対馬市は15日、世界的に深刻化する漂着ごみ問題をテーマにした「対馬海ごみシンポジウム2023」を同市厳原町の市交流センターで開いた。講演やパネルディスカッションで、漂着ごみ問題の課題や解決策などを考えた。
 5人が登壇した講演で、市SDGs推進課の前田剛係長は、対馬沿岸に年間推計で約3万~4万立方メートルのごみが漂着している現状を紹介。漂着ごみを燃料や樹脂に再資源化する市の取り組みを示し、「海ごみを価値あるものに変える好循環を起こそうと、企業や団体と連携してチャレンジを進めている」と強調した。
 環境省職員や、学識者らによるパネルディスカッションでは、比田勝尚喜市長が「対馬の海岸を見てもらうだけで、かなりのインパクトがある。研修旅行や、修学旅行で対馬を選んでいただき、全国の人たちに海ごみ問題に関心を持ってほしい」と述べた。
 シンポジウムはインターネットでも配信した。16日には同市内で、日韓の大学生や高校生などによる日韓市民ビーチクリーンアップも開いた。

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