認知症でも一人暮らしを可能にするには? 「専門職へ早めに相談を」 認知症介護について川内氏が講演

千葉政経懇話会7月例会で講演する川内氏=18日午後、千葉市中央区のホテル

 千葉政経懇話会7月例会は18日、千葉市中央区の三井ガーデンホテル千葉で開かれ、NPO法人となりのかいご代表理事の川内潤氏(43)が「認知症でも一人暮らしを可能にする方法」をテーマに講演した。

 川内氏は介護現場で長年培った経験を生かし、「仕事と介護の両立支援」に取り組んでおり、認知症の家族を介護する心構えなどについて具体的に解説。

 「仕事と介護を天秤(てんびん)にかけてはいけない」「介護の作業はプロに任せて、要介護者に愛情表現できる余裕が大切。とにかくまずは相談を」「家族関係を崩さないことが最優先」と呼びかけ、早めに地域包括支援センターの専門職などに相談し、アドバイスや支援を受ける重要性を訴えた。

 認知症でも一人暮らしを継続する知恵としては(1)近所・地域・社会福祉協議会と連携(2)身の回りの世話などはシルバー人材センター・NPOを活用(3)配食サービスや介護ロボットを活用-を挙げ、「頼ることがとても大事」とした。

 また、遠方で暮らしていた認知症の母親を自宅に呼び寄せ、同居を始めた長男の事例を、ロールプレイング(寸劇)を交え紹介。「介護、家族の“あるべき論”に振り回されないことが大切。まずは生活の中でお互いの思いや価値観を共有することを意識すべき」と説いた。

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