デジタル庁に立ち入り検査 情報保護委、マイナ誤登録問題で

デジタル庁が入るビル=2022年、東京都千代田区

 政府の個人情報保護委員会は19日、マイナンバーに別人の公金受取口座を誤登録するミスが相次ぎ個人情報が漏えいした問題で、デジタル庁に対してマイナンバー法に基づく立ち入り検査を始めた。リスク管理とセキュリティー対策の不備を確認する報告書を6月30日に受け取ったが、さらに調べてどのような問題があったのかを把握し、必要に応じて行政指導に踏み切ることも視野に入れている。

 マイナンバー制度を直接所管するデジタル庁に行政指導が行われれば、極めて異例の措置となり、全国民の個人情報管理体制が問われる事態に発展する。東京都内で記者会見した委員会幹部は「単純なミスと見るのではなく、運用体制や組織的な要因をしっかり調べることが重要だ」と述べ、厚生労働省や国税庁、地方自治体などに調査範囲を広げる可能性にも触れた。

 河野太郎デジタル相は「委員会の求めに応じて適切に対応する」とのコメントを発表した。松野博一官房長官は19日の記者会見で「国民の信頼を取り戻せるよう、政府を挙げて一層取り組む」と述べた。

マイナンバーカードの見本
記者会見する松野官房長官=19日午後、首相官邸

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