【袴田さん再審】4回目三者協議 再審公判スケジュールを話し合ったか 静岡地裁 19日

袴田 巌さんの再審、裁判のやり直しをめぐり19日、静岡地裁で4回目となる三者協議が行われました。再審をめぐっては、裁判がいつ始まるのかが現在の焦点となっています。

(杉本汐音 記者)

「袴田さんの弁護団らが4回目の三者協議に向けて静岡地裁に入っていきます」

袴田 巌さんの再審に向けた裁判所・検察・弁護団による三者協議にのぞむため、午後4時前、袴田 巌さんの弁護団や支援者らが静岡地裁に入りました。

1966年、旧清水市でみそ製造会社の一家4人が殺害された事件で、当時、住み込み従業員だった袴田 巌さんが犯人とされ1980年、死刑が確定。しかし、2023年3月、弁護側の主張が認められ再審が確定しました。

袴田巌さんの再審をめぐっては現在、弁護団、検察、裁判所による協議が行われていて、弁護団は、検察が再審公判で有罪立証せず早期の無罪判決を求めてきました。しかし、10日、検察側が袴田さんの有罪を主張する方針を明らかにし、裁判が長期化する可能性が高まりました。これに対し弁護団は、9月以降に予定している三者協議を取り止め、法廷での再審公判を前倒しで開くよう、18日、裁判所に申し入れました。4回目となる19日は、再審公判のスケジュールについて話し合われているとみられ、弁護団は9月にも初公判を開くよう求めています。

(弁護団 角替清美 弁護士)

「4月に1回目(の三者協議)が始まり、今まで何も進んでいない状況」「進捗状況を教えてほしいと聞いても、(検察からは)一言も出てこない」「そのような打ち合わせをやる意味はない、検察官はそのような態度を公開の法廷でとれるのか」

一方、18日、着任会見を開いた静岡地検の山田英夫 検事正は、検察の方針についてこれまでの審理の蒸し返しだと強く批判する弁護団に対し、「再審公判は、再審開始決定の内容や理由に縛られるものではなく、法と証拠に基づいて立証したい」「『蒸し返し』という批判には当たらないと考えている」と話しました。

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