このところはイングランド・プレミアリーグで上位を維持するクラブの一つになっているトッテナム・ホットスパー。
今回は『Planet Football』から「トッテナム・ホットスパーが大失敗に終わった大型補強」を特集しよう。
エウデル・ポスティガ
獲得元：ポルト
移籍金：625万ポンド（およそ11.34億円）
FCポルトが2003年にUEFAカップ優勝を果たした際に若きエースストライカーとして活躍しヨーロッパの様々なビッグクラブから注目されたエウデル・ポスティガ。FW不足だったポルトガル代表の将来を担うタレントだと言われていた。
その中で彼はイングランドの中堅クラブであったトッテナム・ホットスパーへ加入する事を決めた。グレン・ホドル監督は「彼は我々のチームに間違いなく攻撃のクオリティを加えてくれる選手である。能力は証明されている」と語り、期待を寄せた。
ところがそれから24試合でわずか2ゴールと期待を大きく裏切り、ペドロ・メンデスとのトレードによりたった1年でポルトに送り返されることに。
ロベルト・ソルダード
獲得元：バレンシア
移籍金：2600万ポンド（およそ47.15億円）
ギャレス・ベイルがブレイクする前、トッテナム・ホットスパーは2600万ポンドもの移籍金を支払ってバレンシアからスペイン人ストライカーのロベルト・ソルダードを獲得した。リーガでは109試合で59ゴールを決めていたリアルストライカーであり、当然ながらプレミアリーグでもエースとして活躍することが予想されていた。
そのとおりクリスタル・パレス戦でデビューした彼はPKを決めてゴールを記録した。好調なスタートを切ったかと思いきや、それから急激にパフォーマンスを落としてしまうことに。
クラブとしては良いか悪いか、ソルダードとアデバヨールがサッパリだったためにハリー・ケインを使わざるを得なくなったことは幸運でもあった。
パウリーニョ
獲得元：コリンチャンス
移籍金：1700万ポンド（およそ30.83億円）
パウリーニョは非常に稀有なキャリアを歩んだ選手だ。若くしてリトアニアとポーランドに渡ったものの公私ともども大失敗となり、失意の中で帰国。そしてコリンチャンスでブレイクし、世界トップクラスのボランチに成長した。
コパ・リベルタドーレスを含めて4つのビッグタイトルを獲得した彼は2013年にトッテナム・ホットスパーへとやってきた。コンフェデレーションズカップでも活躍した彼は、イングランドでもそのパフォーマンスを見せるかと思いきや…。
イングランドでは不安定なパフォーマンスに終始し、中国の広州恒大へ移籍。するとアジアで大復活を遂げ、なんとバルセロナへと引き抜かれるという前代未聞のステップを踏んだ。
デイヴィッド・ベントリー
獲得元：ブラックバーン・ローヴァーズ
移籍金：1700万ポンド（およそ30.83億円）
アーセナルの下部組織で活躍し、「デイヴィッド・ベッカムの再来」と呼ばれた攻撃的MF。ブラックバーン・ローヴァーズから2008年にトッテナム・ホットスパーへと引き抜かれることになった。
ただ、彼を欲しがったファン・デ・ラモス監督が超速解任されてしまい、ハリー・レドナップ監督にはあまり好かれず。古巣アーセナル相手にとんでもないスーパーゴールを決めた場面が話題になったが、それ以外はノーインパクトであった。
ジョバニ・ドス・サントス
獲得元：バルセロナ
移籍金：470万ポンド（およそ8.52億円）
バルセロナの下部組織で天才的なドリブラーとして名を馳せていたメキシコ人選手。2008年に470万ポンドという安い価格でトッテナム・ホットスパーにやってきたとき、これはあまりにもお買い得だと言われた。
リオネル・メッシと双璧をなすテクニシャンだった左利きのウイングだった彼は、イングランドにやってきてからプロフェッショナリズムの欠如を感じさせるプレーを見せ、信頼を急速に失っていった。
今思えばバルセロナがこの程度の額で売ったこと自体がそれらのリスクを表していたともいえる。
ダレン・ベント
獲得元：チャールトン
移籍金：1650万ポンド（およそ29.92億円）
一時期、トッテナム・ホットスパーにはやたらとプレミアリーグの一流ストライカーが集まる傾向があった。ロビー・キーン、ディミータル・ベルバトフ、ジャーメイン・デフォーが同居しており、さらに2007年にチャールトン・アスレティックで活躍したダレン・ベントが加入した。
チャールトンでは2シーズンで31ゴールを決めていた彼は、まさにイングランドのリアルストライカーとして評価できる存在だったが、トッテナムのスタイルにはあまり合わなかった。
ただキーンやベルバトフ、デフォーが移籍したので2008-09シーズンはファーストチョイスとなり、12ゴールを決める活躍を見せたものの、クラブの信頼を勝ち取るまでにはいかず。2年でサンダーランドに売却された。
セルヒー・レブロフ
獲得元：ディナモ・キーウ
移籍金：1100万ポンド（およそ19.95億円）
名将ヴァレリー・ロバノフスキーの下、アンドリー・シェフチェンコとともにディナモ・キーウの前線で伝説的なコンビを組んだストライカーだ。2000年にトッテナムは彼を獲得するために1100万ポンドを投じた。
今ではそれほど驚きの額ではないが、当時これは大金である。それだけの期待を受けてイングランドに招かれたものの、レブロフはプレミアリーグでほとんど力を見せられなかった。
そして2シーズンで10ゴールという寂しい成績に終わり、2002年にはフェネルバフチェへと売却されている。
