「市の顔」にマンション 小矢部・石動駅北口そば 来年3月完成、定住人口拡大に期待

賃貸マンションが建設される用地=小矢部市石動町

  ●農協会館跡地に

 小矢部市が商業施設などの誘致を進めている石動駅北口そばの用地に、賃貸マンションが建設される。大和ハウス工業(大阪市)が設計・施工を手掛け、来年3月の完成を目指す。小矢部市は駅北一帯を「市の顔」と位置づけており、関係者はまちなかの活性化と、定住人口の増加に期待を寄せている。

 用地はJAいなば本店の入る農協会館があった場所で、敷地面積は1582平方メートル。建物は同JAが既に解体を済ませ、6月下旬に市内企業が用地を取得し、大和ハウス工業が今月末に着工を予定する。

 計画によると、マンションは3階建て27戸で、石動駅舎と調和した外観とする。太陽光発電を導入するなどし、消費電力を自家発電で賄う「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH、ゼッチ)」の手法を採用する。

 駅北周辺では、JAいなば本店が昨年5月に石動駅前から移転し、東部支店と一体化して同市赤倉に整備された。スーパー「Aコープおやべ」(小矢部市石動町)も昨年3月に閉店したため、現在は駅北口の計約3882平方メートルが更地や工事用駐車場になっており、住民から早期の利活用を求める声が出ていた。

 駅の南側では2008年から土地区画整理事業が行われた後、新駅舎と南北自由通路が完成し、18年に南口が誕生。駅周辺整備事業は20年度に完了し、昨年4月、アルビス(射水市)が「いするぎ駅店」を開業した。

 Aコープおやべの跡地は引き続き、市が駅前にふさわしい施設の誘致に取り組む。桜井森夫市長は「新たなにぎわい創出につながることを期待しており、今後も駅周辺の企業誘致を続けたい」と述べた。

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