●翔猿と対戦 負傷の状態改善
大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)8日目から途中休場していた東前頭4枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)が、12日目の20日に再出場する。7日目の関脇豊昇龍戦で左上腕を負傷し、4日間休んでいたが、状態が改善し、復帰を決めた。11日目までに4勝4敗3休で、勝ち越しに望みをつないだ。12日目は西前頭筆頭の翔猿(追手風部屋)と対戦する。
朝乃山は「左上腕二頭筋部分断裂で4週間の局所安静を要する」と診断されて休場した。当初は痛みがあり、力が入らないような状態だったという。
一方で、朝乃山は休場してからも連日、白まわしを着用して朝稽古に参加し、積極的に体を動かして状態を維持してきた。休場から一夜明けた17日も、左腕に負荷をかけるトレーニングを見送りながら、幕下以下の力士を相手に立ち合いを確認するなど、本番を見据えた稽古に励んでいた。
師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「けがはそこまで悪くないようだ。本人の出たいという気持ちが大事。出る限りは一番でも多く勝たないといけない」と語った。
昨年の名古屋場所で謹慎から復帰し、1年間で幕内上位まで番付を上げた。12日目に再出場しなければ、復帰後初の負け越しが決まるところだった。千秋楽まで休場を続ければ、幕内下位まで一気に番付を下げることになり、年内に三役として土俵に立つことは絶望的な状況が想定された。
翔猿とは2021年5月の夏場所で対戦経験があり、朝乃山が上手投げで勝利した。
万全の状態でなくても、再出場を決心した元大関が勝ち越しを目指し、残り4日間に全てをぶつける。