宗政酒造(有田町)が特別純米酒 パイン風味「焱杜(えんと)」佐賀県工業技術センター開発の新酵母使用

山口祥義知事(右から2人目)に新酒の完成を報告した宗政酒造の山﨑耕造社長(中央)ら=佐賀県庁

 宗政酒造(西松浦郡有田町)は、佐賀県工業技術センターが育種開発した新酵母を使った特別純米酒「焱杜(えんと)」を製造、7月から販売を始めた。パイナップルを連想するような甘みと酸味があり、果汁を搾ったようなフレッシュ感があるフルーティーな酒に仕上げている。

 新酵母「StyP株」は、県産イチゴ「さがほのか」から分離した酵母と別の酵母を掛け合わせてできた約6千株の中から、醸造適性のある酵母を選抜、約1年かけて商品化した。

 宗政酒造の山﨑耕造社長は「フルーティーなお酒としてはリンゴやバナナはあったが、パイナップルは珍しい。酵母の力のすごさを感じるおいしい酒に出来上がった」とPRしている。

 山﨑社長ら試験醸造に携わった関係者が今月7日、県庁を訪れて山口祥義知事に新酒販売を報告した。試飲した山口知事は「パイナップルだよ」と驚き、「清涼感もあってすいすいいきたくなる。これから面白いね」と感想を述べた。

 商品価格は720ミリリットル入り1776円。同社ECサイトなどで販売している。(志波知佳)

新酵母を使用した特別純米酒「焱杜」(白ラベル)と、2020年から販売しているシリーズ第1弾の純米吟醸酒「焱杜」(黒ラベル)

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