水難事故「浮いて救助を待つ」 着衣水泳、児童ら浮力確保の方法学ぶ

ペットボトルを抱えたり服の中に入れたりして流水プールで浮かぶ児童たち(京田辺市田辺)

 自然の川や海に近い流水プールで着衣水泳を体験する授業が、京都府京田辺市の田辺公園プールであった。田辺小の6年生約100人が、水難事故から命を守る方法を実践的に学んだ。

 市教育委員会は昨年度から、一部小学校の水泳授業で民間による指導を試行している。この一環で、着衣水泳をより専門的に学んでもらおうと、試行に協力するケー・エス・シー(大阪市)と連携して企画した。日本赤十字社の水上安全法の指導員資格を持つスタッフが教えた。

 児童たちはまず、手足を広げてあおむけに浮かぶ「背浮き」に挑戦した。シャツの裾を上下させて空気を入れたり、空のペットボトルを抱えたりして浮力を確保する方法も学んだ。川を想定して1周83メートルの流水プールをぐるぐると回ったが、流れの中で浮かび続けることに苦労していた。スタッフは「万が一の際は泳ぐのではなく浮いて救助を待つことが大切」と指導し、海や川ではライフジャケットを着用するよう呼びかけた。

 児童(11)は「服がへばりついて気持ち悪かった。服に空気を入れる方法が役に立つと思った」と話した。

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