古巣“復帰”のリカルド「マシンの本当の実力を見たい」パフォーマンス改善必須のAT04には先入観を持たずドライブへ

 ダニエル・リカルドのアルファタウリでのF1復帰は、ある種の帰郷のようなものだ。先週ファエンツァに到着した彼は、多くの見慣れた面々に迎えられた。それ以来、リカルドはチームにふたたび馴染んでいる。彼が初めて競争力のあるF1チームに加わったのは2012年のことで、当時のチーム名はトロロッソだった。

 そうした初めの頃の日々と飛躍の瞬間の思い出が、リカルドのなかで鮮やかによみがえっているようだ。しかし34歳の彼は今、キャリアの新たな章を作り上げていくことに集中しており、グリッドのトップ層へ戻る期待も抱いている。

「戻ることができて、とてもうれしい」とリカルドはアルファタウリのハンガリーGPプレビューで語った。

「いつものようにレッドブルファミリーでは、連絡に備えておかなければならない。連絡が来てすぐにチャンスに飛びついた」

「アルファタウリへの移行はスムーズに進んだ。先週ファエンツァに戻った。10年前に僕がここでレースをしていた時から、ファクトリーは大きく変わっていた。でも今も見慣れた顔がいっぱいで、これからのレースの準備をするにあたってホームに帰ってきたように感じた」

ダニエル・リカルドがアルファタウリでシート合わせ

 今シーズンのアルファタウリのAT04はパフォーマンスレベルが低いものの、リカルドは何ら先入観は持っていないと語った。

「先週シルバーストンで行われたタイヤテストでレッドブルのマシンをドライブしたときは、とても普通に感じられた」

「アルファタウリのマシンの本当の実力を見たい。まずはマシンをドライブしてみて、そこから考えたい。マシンについてあまり多くの先入観を持ちたくないんだ」

「バランスが取れていると感じるマシンなら、やっていけると思う。マシンに乗り込んですぐに全力を出すのは難しいことだけれど、僕は興奮しているよ」

 リカルドは自身の経験を活かして、アルファタウリのマシン開発を支援することを目指している。だが短期的には、8度のグランプリ優勝経験を持つリカルドが唯一考えていることは、楽しむことだ。

「マシンの開発を進め、そこに自分の経験を活かすといったこともやってみたい。だがブダペストに関して言えば、まずはレースに出て楽しむことを目指したい。左足よりも右足を多く使って、最高の時を過ごしたいね」

「このコースで鍵となるのは、リズムに乗り、多くのコーナーをまとめ上げることだ。マシンのバランスが取れていれば、とても楽しめるだろう」

ピレリF1タイヤテスト(シルバーストン) ダニエル・リカルド(レッドブル)

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