認知症 社会に理解訴え 当事者丹野さん西都で講演

西都市であった認知症フォーラムで当事者への望ましい接し方などについて話した丹野智文さん

 西都市認知症フォーラム(市など主催)は15日、同市文化ホールであった。当事者としての経験や願いを全国で発信している国の「認知症希望大使」丹野智文さん(49)=仙台市=による講演などがあり、当事者と家族を孤立させない社会に向けて理解を深めた。
 丹野さんは39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断され絶望したものの、勤務先や家族の理解、自らの工夫で仕事を続けた体験を紹介。当事者のできることと可能性を尊重する支援の必要性を説き「みんなが安心し、認知症になれる社会をつくろう」と訴えた。
 聴講した宮崎市東大宮1丁目の介護福祉士田崎哲史さん(74)は「周りが当事者を否定せず、一緒に前向きになることが必要だと分かった」と話していた。
 同ホール周辺では西都市内の当事者と子どもたちの歌、体操のコラボ公演やマルシェなどの関連企画もあった。

© 株式会社宮崎日日新聞社