前哨戦Vから忍耐の初日 マキロイがポットバンカーから見せた執念

最終18番をガッツパーで締めたロリー・マキロイ(撮影/村上航)

◇メジャー最終戦◇全英オープン 初日(20日)◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71)

午後8時を回った最終グリーンでロリー・マキロイ(北アイルランド)は力強くガッツポーズした。18番(パー5)、ポットバンカーから2回目の脱出を試みた4打目。右足は砂の上、左ひざをフェアウェイにつけて懸命に距離を合わせた。ピンを3.5mオーバーさせ、残したパーパットを沈めて大歓声。イーブンパー32位で踏みとどまった初日を締めくくった。

ティからロングアイアンでナイスショットを2回続けた後だったからこそ、胸をなでおろして言う。「ボギーにして終えていたら、ハッピーじゃなかった」

予選ラウンドはジョン・ラームと同組でプレー(撮影/村上航)

2番でバーディを先行させた後、ショット、パットともに精彩を欠き、第1打を大きく左に曲げた後半12番までにボギーが3つ。14番からの2連続バーディでなんとか立て直した。「12ホールで2オーバー。そこからイーブンパーまで戻せたことにすごく満足している」と「71」をポジティブに振り返った。

初日は終盤組ながら多くのギャラリーがマキロイを見守った(撮影/村上航)

2014年の「全米プロ」を最後に、タイトルのないメジャーを33回過ごした。昨年の全英はセントアンドリュースでキャメロン・スミス(オーストラリア)に競り負けて3位。1カ月前の「全米オープン」ではウィンダム・クラークに敗れ2位に終わった。ここ2年のメジャー7試合で予選落ちしたのは今年の「マスターズ」だけ。それ以外は全てトップ10入りしている。

2014年以来となる当地での全英制覇に挑む(撮影/村上航)

前回ロイヤルリバプールで開催された2014年大会のチャンピオンは、4日前に前哨戦である欧米ツアー「ジェネシス スコティッシュオープン」で優勝したばかり。9年前は初日から首位を快走したが、「我慢が必要だった」今年のスタート。「簡単じゃなかった。まだ戦える。朝の時間帯に60台に近いスコアをマークできれば、争いに加われると期待している」と、首位に5打差で迎える2日目を見据えた。(イングランド・ホイレイク/桂川洋一)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン