夏休みに「地域つなぐ食堂」 子どもに低額で食事、障害者事業所が協力 長崎市役所レストランで土曜限定

来場者向けの「くるみボタン」を作る事業所利用者=長崎市、就労継続支援B型事業所うららか

 夏休み期間中の子どもたちに低額で食事を提供する「地域つながる食堂」が7、8月の土曜日、長崎市役所レストランで開かれる。初回は22日。準備や運営は複数の障害者就労支援事業所が携わる。子どもたちへの食支援に加え、障害者の活躍の場の創出にもつなげる新たな取り組み。関係者は「子どもや障害者を地域で応援する活動にしていきたい」と話す。
 社会福祉法人恵風会(同市)と市役所レストランを運営する「さかもと」(同市)の共催。開催日時は7月22、29日、8月5、19、26日の午前11時半~午後4時。公益財団法人松園尚己記念財団が助成し、各回150食程度の弁当を用意する。弁当作りは市内7軒の飲食店が協力する。
 子どもたちは会場でチケット(200円)を購入し、好きな弁当を選ぶ。8月8日は市役所向かいの市民会館前にキッチンカー4台が集合。子ども対象の200円メニューを提供する(140食程度)。
 初開催に向け、着々と準備は進む。同市魚の町の就労継続支援B型事業所「うららか」では19日、利用者が来場者らに配る「くるみボタン」を制作していた。デザインが印字された布をアルミのボタンに一つ一つ丁寧に貼りつけて完成。利用者の一人は「喜んでもらえたらうれしい」と声を弾ませた。各事業所の利用者は当日、事業所スタッフとともに会場設営や接客も担当。ボタン制作を含め、いずれも工賃が支払われる。
 つながる食堂を企画した恵風会地域連携部の西田広子部長は「食べた後は勉強や読書をしても大丈夫。中高生も気軽に立ち寄って過ごしてもらえれば」と呼びかける。企業や地域の人たちに活動を知ってもらい、今後の「応援」の広がりにも期待。「障害がある人もない人も参加し、共生社会の実現にもつなげたい」としている。

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