地域通貨「させぼeコイン」で経済循環 佐世保市が24日から導入 還元率、チャージ額の10%

佐世保市が導入する地域通貨。市内でお金を循環させ、経済活性化につなげる

 長崎県佐世保市は24日から地域通貨「させぼeコイン」を導入する。ポイント還元分を含め、使用できるのは市内の加盟店に限定し、お金の行き先を市内で完結させる。還元分だけで3億円超を循環させ、経済の活性化を目指す。
 させぼeコインは、スマートフォンのアプリを利用したキャッシュレス決済。昨年度発行した電子振興券のアプリを引き継ぎ、現金をチャージ(入金)するなどして店舗にあるQRコードを読み取って支払う。昨年度の振興券は利用を市民に限定していたが、eコインは誰でも利用でき、“外貨”獲得が期待される。
 利用者にとって、キャッシュレス決済のメリットの一つはポイント還元。1ポイントは1円で、加盟店での買い物や飲食に使うことができる。市は今回、三つのポイントを発行する。チャージ額に応じたポイント還元率は10%とし、千円入金すると原資分とポイント還元分を合わせた1100円分を利用できる。市は還元分として3億円を予算化。ポイントが付与されるチャージ上限は1人6万円。
 このほか、市にふるさと納税すると納税額の30%分のポイントを付与。市はポイント発行目標を600万円分と設定している。またレンタカーで観光施設を周遊した人に4千ポイントをキャッシュバックし、ポイントの発行目標は800万円分。いずれのポイントにも利用期限がある。加盟店はアプリなどから検索できる。
 今回の事業は、物価高騰に直面する事業者支援の意味合いが強い。市によると、売り上げの落ち込みが大きい商店が少なくなく、廃業が続くと地域の衰退につながりかねないとの懸念がある。アプリの利用者を増やして市内消費を促していく。
 アプリのダウンロード数は現在2万人。キャッシュレスに抵抗がある人やスマホに不慣れな人もいるとみて市は本年度、ダウンロードの仕方やメリットなどをまとめたガイドブックを作成する。年度内に5万人への引き上げを目指す。将来的には、市が指定した事業に参加した人に、アプリを通じてポイントを付与するなど別事業での利用にも広げていく。

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