残念な人…ラーメン店に忍び込んだ会社員、泥棒断念…逮捕 諦めるよう工夫した店長、怒り通り越しあきれる

ラーメン店の売上金を狙う 窃盗未遂疑い、男を逮捕=久喜市

 ラーメン店に侵入し、現金を奪おうとしたとして、埼玉県警捜査3課と岩槻、幸手署の合同捜査班は20日、建造物侵入と窃盗未遂の疑いで、宮代町東、会社員の男(38)を逮捕した。

 逮捕容疑は7月11日午前3時50分ごろ、久喜市樋ノ口のラーメン店に侵入。券売機を物色するなどして現金を奪おうとした疑い。調べに対し、容疑を認め「ギャンブルなどで借金があり、お金が必要だった」と供述しているという。

 捜査3課によると、今年6月1~2日に蓮田、久喜市内のラーメン店から現金が奪われる窃盗事件が連続発生。同月に蓮田市内のラーメン店で同様の未遂事件が起き、防犯カメラ映像の精査から付近をはいかいする不審車両が浮上した。その後、幸手市内のリフォーム店で窃盗被害があり犯行に同じ車両が使用されていることが分かり、防犯カメラのリレー捜査などで男の関与を特定した。

 男は夜間に駅周辺や主要道路沿いの閉店後の店舗に侵入。レジや券売機などから現金を奪い取る手口で犯行に及んでいた。今回の久喜の店舗には従業員入り口を何らかの方法で開けて中に入ったとみられる。店員が券売機の扉を開けていたため、実際の現金被害はなかった。

 男は県内や県外での余罪をほのめかす供述をしていて、県警が捜査を進めている。

■被害店の店長「人として残念」

 被害に遭ったラーメン店(久喜市)の店長男性(48)は犯人に対して「怒りというよりあきれの感情が強い。人として残念だ」とした上で「罪を償って更生してほしい」と語った。

 このラーメン店では、警備会社との契約や店内外に4台の防犯カメラを設置するなどの窃盗対策を講じていたほか、店内の券売機に関しては、営業時間以外の時間帯は現金を取り出して、機内に現金が入っていないことが分かるように扉を開けた状態にしていた。防犯カメラには、同店の従業員入り口から侵入し店内を物色した後で券売機に現金が入っていないことを確認し逃走する男が映っており、男性は「券売機が閉まった状態だと、現金が入っていると思われて壊される可能性もあった。券売機がないと営業ができなくなってしまうので、不幸中の幸い」と振り返った。

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