子連れ外出優しい滋賀県に 優先駐車・絵本貸し出し、積極サービス「周囲の見る目変える」

子ども連れの人が外出しやすい取り組みなどを協議した県子ども政策推進本部(13日午前、県庁)

 滋賀県は、子ども連れの人や妊娠中の女性が出かけやすくする取り組みを充実させる。県立施設で、窓口や駐車場で子どもを連れた人の利用を優先したり、絵本やベビーカーを貸し出したりといったサービスを積極的に導入する。7月中にも各施設の取り組みをまとめ、県のホームページで公表する。

 13日に開いた県子ども政策推進本部で取り組み方針を協議した。県は、子ども連れの人が施設などで優先的に入場できる仕組みとして政府が進める「こどもファスト・トラック」の県版として検討してきたが、この日の推進本部では「ファスト(早さ)だけでない、幅広い取り組みとする」ことを確認した。

 公園や警察署など県立の46施設のうち、新規の取り組みを予定するのは現時点で9施設。守山署(守山市)はベビーカーを貸し出し、パスポートセンター(大津市)では8月上旬から小学生以下の子どもを連れた人や妊娠中の女性の優先受け付けを始める。身体障害者用の駐車スペースに「子ども連れも利用可能」との表示をするとした施設もある。

 授乳室やおむつ替え用スペース、キッズコーナー、絵本の設置、託児サービスなどの有無も施設ごとに紹介していく。

 会合終了後、三日月大造知事は「子どもや子育て中の人に優しい運営ができるよう、気付き、取り組むことに意義がある。周囲の見る目が変わり、外出しやすくなったと感じてもらえるようにしたい」と話した。県は今後、導入施設を増やしていくとともに、市町や民間企業にも呼びかけていく方針。

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