全仏混合Vの加藤未唯 女子ダブルス失格「もう過去のこと」次は全米V目指す

笑顔で全仏優勝を報告する加藤さん(京都市役所)

 6月のテニス全仏オープン混合ダブルスで初優勝した加藤未唯選手(28)=ザイマックス、立命館宇治高出、京都市左京区出身=が21日午前に京都市役所を訪れ、門川大作市長から「市スポーツ最高栄誉賞」が贈られた。加藤選手は「生まれ育った京都で一番いい賞を取れてうれしい気持ちでいっぱい」と喜びを語った。

 加藤選手は約3カ月の欧州遠征から今月12日に帰国したという。周囲の反応について、「初めて行く店でも声をかけていただくなど、私のことを知ってくれた方がけっこういるので良かった」と笑みをのぞかせた。

 全仏オープンを巡っては、混合ダブルスの前に行われた女子ダブルス3回戦で、加藤選手がプレーの合間に打った球がボールガールに当たった。

 当初は警告だったが、対戦相手が主審に抗議するなどして失格処分に変更。賞金とポイントが剥奪されるなど、裁定を巡って国際的な議論が巻き起こった。

 加藤選手は「当時はすごく落ち込んだ」と振り返る一方、家族から「味方でいる」とLINEをもらい、地元やテニススクールの友人からも同じように励まされたという。

 失格処分について「もう過去のこと。同じようなことにならないようにより気を引き締めたい」と強調。来月28日開幕の全米オープンに向け、「次は女子ダブルスで優勝することが目標」と力強く語った。

 市スポーツ最高栄誉賞は、五輪やパラリンピック、著名な国際大会などで優勝やメダルを獲得した選手に授与される。これまで延べ39人と1団体が受賞している。

 加藤選手は21日午後、京都府庁での「京都府スポーツ賞 特別栄誉賞」の授与式に出席した。

 その後、真宗大谷派本山の東本願寺(下京区)も訪問した。父の大貴さんが、同寺や飛び地境内の渉成園の庭の管理を担う造園会社の会長を務めている縁があり、幼い頃は父とともに寺や渉成園を訪ねたことがあるという。

 加藤選手は同派の木越渉総長から記念品の念珠と扇子を受け取り、「お寺からお祝いをもらうのは初めてなので、新鮮でうれしい気持ち。歓迎していただいてうれしく思います」と喜んだ。

 

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