【日本薬剤師会】文科省の薬学部定員抑制“例外12県”に「容認し難い」/会員へパブコメの積極提出呼びかけ

【2023.07.21配信】日本薬剤師会は7月21日に定例会見を開き、文科省中央教育審議会で薬学6年制課程の定員抑制の例外区域を設ける告示案が了承されたことについて、「当会としては容認し難い」とし、会員に対してパブコメの積極的な提出を呼びかける通知を発出したことを説明した。

これまで文部科学省は、薬学6年制課程の新設並びに収容定員増について、所定の基準等に適合していれば原則認可してきた従来の考え方を改めて抑制方針をとることとし、 関係告示の一部改正が行われていた。

一方、今般の抑制策においては、文部科学大臣が別に定める基準に該当する区域では適用しない旨の例外措置が設けられている。 これについて文部科学省は、 7月14日に開催された中央教育審議会大学分科会において、 厚生労働省が示した薬剤師偏在指標を基に12県 (青森、山形、群馬、富山、福井、岐阜、愛知、三重、大分、宮崎、 鹿児島、沖縄) を例外措置の該当区域とする旨を示す告示案を提出し、了承された。現在、これを受けて8月13日を期限として同案に対するパブリックコメントが実施されている。

日本薬剤師会は今回の告示案に対して、「薬剤師の質的向上のために定められた薬学部定員抑制策が実質的に行われないことが危惧される」として、 「本会の考える方向性とは異なり、 容認し難い」との考えを表明。パブリックコメントに早期に意見提出する考えを示した。
さらに、今回の告示案については、「全国の薬学教育の質保証に深く関連する重要なもの」として、都道府県薬剤師会に対してもパブリックコメント提出を積極的に検討してほしい旨、通知を発出した。

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