遺族ら誓う「風化させない」、二度と起こさぬために 明石歩道橋事故から22年、丸谷市長も献花

慰霊碑に手を合わせる事故の遺族=21日夜、明石市大蔵海岸通1(撮影・小林良多)

 兵庫県明石市・大蔵海岸の花火大会会場近くで起きた群衆雪崩によって、子どもら11人が亡くなり、247人が負傷した明石歩道橋事故は21日夜、発生から丸22年を迎えた。

 この日は発生時刻に近い午後8時45分ごろ、現場の朝霧歩道橋(明石市大蔵海岸通1)にある慰霊碑「想(おもい)の像」前に遺族たちが献花。遺族や市民らが犠牲者を追悼し、事故の再発防止を願った。

 事故で長女千晴さん=当時(9)=と長男大君=当時(7)=を亡くした有馬正春さん(64)=明石市=は「22年が過ぎても、事故が鮮明に思い出されてつらい。ごめんねと謝ることしかできない。風化させないことが唯一、再発防止につながるので、できることをしていきたい」と話した。

 市幹部と共に花を手向けた丸谷聡子市長は「市民の命をこうした事故で亡くすことのない市政運営をしていきたい」と述べた。

 献花後、慰霊碑の前で市民有志らが追悼の思いを込めて鎮魂歌を合唱した。(領五菜月)

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