炎天で精製、輝く漆 輪島で伝統の天日黒目

生漆をかき混ぜる職人=輪島市横地町

 輪島塗で使用する漆を夏の日差しにさらして精製する伝統の「天日黒目(てんぴぐろめ)」の作業が21日、輪島市横地町の大徹(だいてつ)八井漆器工房で始まった。強い日差しが照りつける中、職人4人が交代で乳白色の漆を2時間ほどかき混ぜて光沢のある黒色に仕上げた。

 輪島塗の仕上げ「上塗り」で使う漆を精製するための作業で、市無形文化財に指定されている。天日に当てた漆は強度やつやが増すとされ、今年は2日間で岩手県浄法寺町産の漆20キロを使用する。同工房の八井貴啓社長(54)は「炎天下での大変な作業だが、守り続けていく」と話した。

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