京都府亀岡市の夏の祭礼「佐伯灯籠」で人形浄瑠璃を上演する薭田野小(薭田野町)の4年生たちが、佐伯灯籠資料館(同町)で保護者向けに発表会を開いた。校章入りのかみしも姿の児童が、巧みな人形操作や語りを披露した。
佐伯灯籠は同町と吉川町にまたがる旧佐伯郷一帯で8月14日にあり、国の重要無形民俗文化財に指定されている。同小の4年生は郷土学習の一環で、祭りについて学んだ上で人形浄瑠璃に取り組む。しかし新型コロナウイルスの影響で2020、21年は祭り自体が中止、22年は規模縮小で児童による上演を取りやめていた。
今年の祭りは通常開催を予定し、上演も4年ぶりに復活する。児童12人は6月中旬から、保存会の手ほどきで人形の操り方や物語の語り方を練習してきた。
13日にあった発表会では、徳島で生き別れ大阪で再会した母娘の悲哀を描いた「阿波十巡礼歌之段」の一場面を披露した。児童が演じきると客席から温かい拍手が送られた。
児童(10)は「みんなの前で口上を述べるのが恥ずかしかった。家で何回も練習した成果が出て、きょうの出来は98点」と語った。