■神戸国際大付3-2報徳
三度目の正直だ。神戸国際大付がタフな一戦を制し、県大会で昨秋の決勝と今春の準決勝に苦汁をなめた宿敵に雪辱。完投した2年生津嘉山は「『夏にリベンジ』というのは言葉に出してきた」と喜びをかみしめた。
津嘉山は14日の2回戦以来、中6日の登板。休養十分で臨み、持ち前の力強く正確な制球で報徳打線を押し込んだ。ピンチではマウンドで先輩にかけられた「なんくるないさー」の声に背を押された沖縄出身右腕は、最後まで球に力があった。
強打が伝統のチームにあって、この日光ったのは1死からでも犠打で好機を広げる手堅さ。七回は単打の加門を伊吹が送って2死二塁とし、井関が「食らいついたら、いいところに飛んだ」と左越え二塁打を放って、これが決勝点に。報徳が犠打で走者を二塁に進めた三、九回、後続が凡退して無得点に終わったのとは対照的だった。
勝利の校歌を大声で歌い、スタンドへのあいさつを終え、興奮冷めやらぬナインに、青木監督は「次やで」とひと言。田村好主将も「うれしいけど、通過点」。目標はここではない。2年ぶりの頂点と甲子園での勝利をつかむため、まだまだ手綱は緩めない。
■報徳、中軸不発で涙
現チームになって、初めて聞く兵庫の他校の校歌。昨秋、今春と県大会を制し、春夏連続の甲子園、そして日本一を目指した報徳の進撃が止まった。最後の打者となった山増は「受け止めきれない」とうなだれた。
相手の先発津嘉山の優れた制球に手を焼き、中軸3人の安打は一回の堀主将の適時二塁打のみ。石野、辻田は見逃し三振を重ねた。粒ぞろいの投手陣も3点に抑えるのが精いっぱいだった。
16強で散った昨夏や決勝に進んだ選抜大会の経験から、兵庫大会にピークを合わせるため調整を工夫したが、2年連続5回戦で敗退。堀主将は「メンバー外のみんなに申し訳ない」と無念さを募らせた。(初鹿野俊)