県産ワインに新ブランド 南東北クボタが上山で栽培、収穫

新ブランド「プレザント・ムード」のワイン=山形市

 農業機器販売の南東北クボタ(宮城県名取市)が上山市で栽培、収穫したブドウを使い、新ブランド「PLEASANT MOOD(プレザントムード)」のワインを発売した。自社製の農機具はもちろん栽培技術のノウハウを生かし、耕作放棄地を活用してブドウを栽培することで、県産ワインの活性化と農業の持続的成長に寄与する。

 同社は農業を通じた地域貢献をテーマに掲げる。農家の高齢化や担い手不足を背景に、耕作放棄地が増えていることを憂い、農業を担う子会社の南東北サンシャインファーム(山形市、小林高宏社長)を2016年に設立。耕作放棄地を借り、荒れ地を開墾するなどしブドウ栽培を始めた。現在では3カ所のブドウ園計3.35ヘクタールを利用している。

 ブドウ畑では今季、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、デラウェア、マスカット・ベーリーAといった欧州系の定番品種を育てた。これまでは醸造委託先のベルウッドヴィンヤード(上山市)製ワインとして販売したが、今年は自社の新ブランドを立ち上げた。ブランド名は「心地よい気分」という意味で、和やかなひとときに寄り添うワインにしたいと思いを込めた。

 シャルドネを使った白ワインはステンレス樽(たる)で低温熟成させ、フルーティーで酸味がありつつ、のど越しが良い。赤ワインはメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを使い、樽の中で半年程度、熟成させた。辛口で香りが良いのが特徴だ。共に750ミリリットル入りが2970円。

 小林社長は「飲みやすいワイン。多くの人に味わってほしい」と話す。山形市流通センター3丁目の同社か自社オンラインストア(https://mtsunshinefarm.stores.jp/)で販売している。問い合わせは南東北サンシャインファーム023(622)1133。

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