〈全国高校野球新潟大会〉高田北城、逆転負け 中越に互角渡り合う 準々決勝

【高田北城―中越】高田北城は四回表一死満塁、9番内藤(奥)の中犠飛で三走上野(手前)が生還し2―1と勝ち越し。三塁側ベンチでタッチを交わす

第105回全国高校野球選手権記念新潟大会は21日、新潟市のハードオフ・エコスタジアム新潟で準々決勝の残り2試合が行われ、第5シード高田北城は第3シード中越に3―6と逆転負け。上越勢は唯一勝ち残っていた北城が敗れ、全て姿を消した。二回表に先制し、終盤までリードしていたが、八回裏に4点を許し、試合を引っ繰り返された。23日の準決勝は北越―東京学館新潟、中越―加茂暁星の組み合わせとなった。

◇終盤までリード北城らしさ見せ 高田北城

◇準々決勝

【ハードオフ・エコスタジアム新潟】

▽第2試合

高田北城

010101000|3

01000014×|6

中越

○…試合後は笑顔で中越ナインと握手を交わした高田北城ナイン。三塁側の応援団にあいさつした後、顔に手を当て思いが込み上げてきた。私立強豪と堂々と渡り合ったナインを代表し、内藤蒼太郎主将(3年)は「打倒私立を掲げて、それは果たせなかったが、北城らしいロースコアの野球ができたと思う」と胸を張った。

先制しロースコアの接戦に持ち込む「思っていた通りの展開」(牛木晃一監督)。二回表に6番春川咲人(3年)の二塁打から1点を先制。1―1の四回には9番内藤の犠飛で勝ち越し、六回に8番吉原康輝(3年)のスクイズで加点。今大会4試合目の先発、左腕・坂木陽(3年)は丁寧にコーナーを突く投球で7回まで9安打されながらも2点に抑え、終盤を迎えた。

1点リードした八回から必勝パターンの右腕・岩間創(3年)にスイッチしたが、同点とされ、なお二死満塁の場面で明らかに制球を乱した。マウンド上で何とかしようと体を動かしたが、体の異変は戻らずベンチに下がった。熱中症による無念の降板となり、急きょ今大会初登板の高橋勇輝(3年)がカウント3ボールから継投。ボールで押し出し、次の打者に二塁打され、点差を広げられた。

牛木監督は「高橋には厳しい場面だったが、ずっと準備していた。力勝負でいって最後は長打された。仕方がない。よく投げてくれた」とねぎらった。好投の坂木は「(エコスタのマウンドは)景色が良かった。緩いカーブをうまく使えた。楽しんで最後は笑顔でやろうと思っていた。(岩間と高橋に)ありがとうと言いたい」と、全てを出し切った表情で振り返った。

四、六回に先頭打者で安打して生還し、七回には二死一、二塁で三振に倒れた5番上野迅三郎(3年) (七回は中越エースの)野本君もギアを上げてきた。初球ストレートを張ったが、合わせられなかった。追い込まれてから粘ったが、最後は相手が上だった。北城でやれて良かった。

◇好試合応援に力堂々の姿に拍手 北城スタンド

○…三塁側の高田北城応援席は西日を受けながら懸命の声援。控え部員をまとめた応援団長の相羽涼太君(2年)は「3年生には長い間お世話になった。迷惑を掛けたので感謝の気持ちを伝えたい」と話し、メガホンを持つ手に力を込めた。

野球部OBも駆け付け、昨年の1番打者だった植木健登さん(18、県立看護大)は「自分たちもできなかった夏のベスト8は本当にすごい。3年生は力があり、昨年は助けられた」と思いを話した。マネジャーだった涌井菜々子さん(19、同)は「悔いなく頑張ってほしい」と祈った。

6年前のベスト4の時の世代も応援に。2番二塁手だった澤谷勉さん(24、上越市教育委員会)は試合後、「自分たちは中越に負けたので、リベンジしてほしかったが、力の差はなく堂々とした戦いは素晴らしかった」と後輩たちをたたえていた。

高田北城は六回表一死一、三塁、8番吉原がスクイズを決め、3―1とリードを広げる
試合後、敗れた高田北城ナインは中越と握手を交わし、健闘をたたえ合った
スタンドで夏の日差しを受けながら、グラウンド上の選手を精いっぱい応援する高田北城の部員

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