ロバンペラが首位浮上。エバンスも表彰台争う「土曜日もきっといい戦いが続く」とラトバラ/WRC第8戦

 7月21日(金)、WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・エストニア』の競技2日目が、エストニア第2の都市タルトゥに置かれたサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位となった。

 チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合4番手、マニュファクチャラー登録ドライバーとしてTGR-WRTの3台目のマシンを駆る勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合7番手につけている。

 木曜の夜、タルトゥでのスーパーSSで開幕したラリー・エストニアは、翌21日(金)の朝から森林地帯での本格的なハイスピード・グラベル(未舗装路)ラリーが幕を開けた。一日を通して走行する“フルデイ”の初日はSS7本、合計133.38kmの戦いに。コンディションは晴れから曇り、午後には一時的に雨もぱらつき、路面の一部は湿った状態となった。

 そんななか、前日の首位エバンスとエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)からわずか0.1秒差の総合3番手につけていたロバンペラは、路面の“掃除役”を担いながらも午前中に3ステージ連続で3番手タイムを刻む力走をみせ、午前中に首位に立ったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と6.8秒差の総合2番手につける。

 その後、ミッドデイサービスを挟んで迎えた午後のループではSS5とSS6で連続ベストを記録。ヌービルを抜いて総合首位に躍り出た。ラリー・エストニア2連覇中のロバンペラは、その後の2本のステージでも首位の座を堅持し、ヌービルに3秒差をつけてデイ2を走破している。

エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第8戦ラリー・エストニア

 前日首位のエバンスは、オープニングのSS2で総合4番手に順位を下げたものの、続くSS3では順位をひとつ取り戻す。その後は一日の最後までラッピと激しい総合3番手争いを繰り広げ、僅差の総合4番手でデイ2を終えた。3番手ラッピとのタイム差は1.9秒だ。

 第2戦スウェーデン、第5戦ポルトガルに続く今シーズン3回目のワークス登録出場となる勝田は、難しい路面で自信をつけながらの走行となり、総合7番手で今大会最長の一日を終えている。

「我々にとっては、ポジティブなフルデイ初日だった」と語るのは、TGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。

「出走順がトップだったカッレ(・ロバンペラ)は、とくに再走ステージで本当にいい走りをした。非常に大きなわだちが刻まれていたので、彼があれほど素晴らしいタイムを出せるとは思っていなかった」

「エルフィン(・エバンス)も早い出走順だったにもかかわらず、いい走りを見せてくれた。彼はミッドデイサービスでセットアップをいくつか変更し、それが彼の自信に繋がったようなので、明日は期待が持てる。一方、(勝田)貴元はとくに深くわだちが掘れた場所で自信を失っていたので、彼をサポートしようと考えている。もし、彼がこのまま普通にラリーを走り続ければ、最後にはトップ5に入ることができると確信しているんだ」

「ここまでのところ誰にとっても本当に面白いラリーになっており、タイム差も大きくないので、土曜日もきっといい戦いが続くだろう」

 その土曜のデイ3は、サービスパークの南側エリアで午前中に2本のステージを各2回走行した後、昼のサービスを挟み、さらに別の2本のステージを各2回走行する予定だ。また一日の最後には、サービスパークのすぐ近くでSS1の再走ステージがSS17として行われる。9本のSS合計距離は102.61km、リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は565.61kmだ。

デイ2総合首位のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第8戦ラリー・エストニア
勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第8戦ラリー・エストニア

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