現地8月1日のトレードデッドラインまでおよそ1週間と迫り、目下最大の関心事はひとつ。エンゼルスの大谷翔平の去就問題である。
ネット上は毎日のように大谷の去就に関する話題で溢れ、MLB.comやESPN+では大谷翔平のトレード案の記事が更新されたほか、「エンゼルスは大谷翔平のトレードをデッドラインの最後の24~48時間まで待つ」「モレノオーナーがドジャースへのトレードを嫌がっている」など様々な噂が飛び交っている。
渦中にあるエンゼルスの選手にとっては、その噂を完全に遮断するのは難しいようだ、と「ジ・アスレチック」のサム・ブラム記者は報じている。
「みんながツイートしている。そしてみんなが僕たちをタグ付けし始めている。それを見ないのは難しいよ」とは先発左腕のリード・デトマーズ。
そもそも、先月の時点では誰も大谷翔平のトレードを話題にも出していなかった。現地6月28日時点でエンゼルスはワイルドカード2位に付けており、関心はエンゼルスがプレーオフに行けるか否かということに向いていた。
しかし、そこからエンゼルスはマイク・トラウトの離脱もあって崩壊。プレーオフ圏内までは5ゲーム差と厳しい状況に置かれている。
エンゼルスの選手たちは、大谷翔平の運命は残り2週間の自分たちのプレーにかかっていると理解している。
「僕たちが目指す場所に行くためには彼が必要だ。」と4番を務めるテイラー・ウォードは語る。「願わくは試合に勝って、彼をここに留めたい。」
そんな選手たちの思いがプレーに現れだしていることもあってか、そして他ならぬ大谷翔平の活躍もあって、エンゼルスの調子は上向き始めている。
後半戦最初のアストロズとの3連戦では1勝2敗と負け越したものの毎試合のように激闘を演じ、次のヤンキースとの3連戦では3連勝でスイープを決めてみせた。
エンゼルスが完全にプレーオフ争いから脱落し、勝率5割付近にも留まれなくなるといったことにならない限り、大谷のトレードの可能性は依然として低いだろう。ここからのデッドラインまでの日程は、半分がタイガースやパイレーツといった勝率5割未満のチームが占めることもあって比較的易しい。
このままの調子を維持できれば、エンゼルスは大谷をキープし、プレーオフ争いにも留まるという最高のシナリオを迎えられる可能性もグンと上がってくるだろう。