現地8月1日に迫ったトレードデッドライン。今年は買い手に回るチームが多いことが予想され、トレード市場に超大物は不在だが、徐々に市場は熱を帯び始めている。
トレード市場において最も強力な先発投手が、ホワイトソックスのルーカス・ジオリトである。
ジオリトは2019年にブレークしてオールスターに選ばれるシーズンを送って以来、ホワイトソックスのエース格として活躍。今季も20先発で防御率3.96を記録しており、移籍関連の話題に強い米専門メディア「トレード・ルーマーズ」のデッドラインのトレード候補ランキングでは、ジオリトが1位に据えられている。
ジオリトは今季限りでFA(フリーエージェント)となるため、ア・リーグ中地区で4位に沈み、プレーオフが望み薄なホワイトソックスがトレードに出す可能性は高いとされている。
ここまでジオリトの獲得に興味を持っていると報じられているのが、ドジャース、レッズ、ダイヤモンドバックスの3球団である。
中でもレッズとダイヤモンドバックスは、今季のサプライズチームとしてプレーオフ争いを演じている。若い選手が多い両チームの先発投手陣は人手不足に苦しんでおり、レッズはアンドリュー・アボット、ダイヤモンドバックスはザック・ギャレンというエースにおんぶにだっこの状態となっている。
レッズは開幕前に開花が期待されていたハンター・グリーンとニック・ロドロの復帰が8月に予定され、ダイヤモンドバックスも安定感抜群の2番手メリル・ケリーが次のカージナルスとのシリーズで復帰する予定だが、プレーオフを狙う上では心もとない。
ドジャースはクレイトン・カーショーが肩の故障でIL入りするなど、先発投手陣に故障が頻発。しかし、先日デビューしたエメット・シーアンをはじめ頭数を埋める有望株がそろっており、またトミー・ジョン手術のリハビリに取り組んでいたエースのウォーカー・ビューラーが今シーズン中に復帰する可能性もあるなど、獲得の本気度では前述の2球団に劣るかもしれない。