役者集まりにぎやかに 茂木の獅子舞「河井のささら」練習始まる

初練習で大人たちから舞の指導を受ける丸山玄君(右から2人目)と大穂君(同3人目)

 【茂木】3年ぶりに昨年再開した河井の県指定無形民俗文化財の伝統の獅子舞「河井のささら」の練習が今年も始まった。新型コロナウイルス禍による2年の休止が明けた昨年は10人にとどまった役者も、今年は本来に1人足りないだけの12人が集まった。花形の「瓠(ふくべ)」も2人そろった。本番は9月19日の敬老の日。

 役者は全て男女児童で、瓠は上演中出ずっぱりで獅子と絡みながら美しい衣装で舞う。本来2人必要な主役だが、昨年はそろわず、男児が1人で頑張った。今年は中川小3年丸山玄(まるやまげん)君(8)、1年大穂(だいほ)君(6)の兄弟が快諾。きょうだい2人の瓠は初めてという。

 獅子や雑子(ざっこ)、膳冠(ぜんかぶり)、警護といった他の役者にもきょうだいや姉妹での参加がある。

 10年前に移住し、「人が優しく、子どもたちをかわいがってくれる」と同地区の子育て環境に満足している家具職人の父親洋平(ようへい)さん(39)も、16日の初練習を温かく見守った。この日以降、舞の習得に時間がかかる獅子と瓠の4人は夏休み中も毎週土日の夕方に練習が続く。2人は「楽しかった。頑張れそう」と笑顔を見せた。

 河井獅子舞保存会の服部(はっとり)公一(こういち)会長(75)は「きょうだいの参加が多く、花形の瓠も2人そろった。華やかなささらになる」と期待した。

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