工芸、文化の体験拡充 かなざわまち博開幕

加賀八幡起上がりの彩色を楽しむ親子=長土塀青少年交流センター

  ●85講座、夏本祭

 かなざわ・まち博2023(北國新聞社特別協力)の夏本祭は22日開幕し、金沢のまち全体を博覧会場に見立てて開催する市民参加型イベントが始まった。初日は、こどもまち博、料亭体験が行われ、参加者はふるさとの魅力を再発見した。今年は秋の国民文化祭「いしかわ百万石文化祭2023」を視野に伝統工芸、食、文化体験講座を拡充し、市民が文化に触れ、まちを盛り上げる機会とする。

 24回目の今年は全85講座を開催する。コロナ下の制限がなくなり、十分な参加人数を確保した上で、対面講座を充実させた。親子向け「こどもまち博」、料亭・茶屋体験、作家の工房や庭園を訪ねる特別講座・美の巨匠、屋台大学、金沢散歩学などを8月27日まで展開する。北陸鉄道バスや電車に乗ってスポットを巡るクイズラリーも初開催する。

  ●八幡起上がり作る

 長土塀青少年交流センターでは「加賀八幡起上(はちまんおきあ)がりを作ろう」が開かれた。親子35人が中島めんやの中島●博社長(●は衣へんに羊)の指導で、張り子の人形に模様や表情を描き、県観光PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」のモチーフとなった郷土玩具(がんぐ)に理解を深めた。

 人形の背中に五色で「石川県」と描いて仕上げた芳田想真君(伏見台小3)は「部屋に飾りたい」と笑顔を見せた。

 北國新聞交流ホールで開かれた開幕式では、中川一成委員長が、各講座に約1万人の応募があったことを紹介し「金沢の魅力を一人でも多くの方に実感してほしい」とあいさつ。村山卓市長が祝辞を述べた。

 第22回「かなざわを描く」絵画コンクールの表彰式も行われ、大賞の北川千絵さん(森本中3年)ら入賞者をたたえた。金沢美大の前田昌彦名誉教授が講評した。受賞作18点を含む応募作品222点は今月30日まで北國新聞赤羽ホールで展示される。

  ●夏の懐石味わう

 料亭体験「涼風夏膳」は寺町1丁目の金茶寮で開かれ、29人が旬の地元食材を使った懐石料理を味わった。カニと太キュウリの酢あえやアユの塩焼きなど夏らしい献立が出された。長島勉総支配人が創業1933年の店の歴史を語った。

絵画コンクールの受賞者をたたえた開幕式=北國新聞交流ホール
旬の地元食材を用いた料理を味わう参加者=寺町1丁目の料理店

© 株式会社北國新聞社