青空も応援、梅雨明けゴール 最上川200キロを歩く・最終週

最上川河口付近に笑顔でゴールする酒田市新堀小の5年生

 山形新聞、山形放送の8大事業の一つ「最上川200キロを歩く 小学生探検リレー」は最終週の22日、酒田市新堀小(斎藤雄一校長)の5年生15人が参加した。この日は東北地方の梅雨明けが発表され、晴れ渡る空の下、アンカーを務める子どもたちは、元気いっぱいに11週にわたるリレーを締めくくった。

 同校で出発式を行い、国土交通省酒田港湾事務所の鮎貝基和技術副所長が「川と海のつながりや、港の役割を知ってほしい」とあいさつした。斎藤校長は「最上川がもたらす恵みや文化に加え、川を守る仕事についても体全体で学んでもらいたい」と呼びかけた。

 後藤結菜さん(11)と佐藤智哉君(10)がバトンの代わりに引き継いできたビッグフラッグを掲げ、吉泉奏佑君(11)が「浄水場やダムに関するこれまでの学習を通じ、最上川が生活になくてはならないものだと分かった。さらに深く知りたい」と決意表明した。

 最上川スワンパークでは水質検査を行い、川がきれいに保たれているかを確認し、河川敷を安全に管理するために必要な除草作業を体験した。満面の笑顔で河口部のゴールに駆け込んだ後は、県漁業協同組合酒田製氷工場を見学し、同事務所の港湾業務艇に乗船するなど、川と海に関わる産業への理解も深めた。

 同事業は2003年に開始し、新型コロナウイルス禍での中止を挟み今回で20回目の節目となった。5月13日に米沢市の源流域を起点にスタートし、国交省などの協力を得て各地域の児童や保護者が参加した。母なる川に沿って歩き、豊かな自然や文化に触れて郷土愛を育みながら、頻発化・激甚化する水害への対策も学んだ。

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