クラスター弾で双方に死傷者 従軍記者ら、犠牲拡大も

ロシアのミサイル攻撃で破壊された大聖堂=23日、オデッサ(AP=共同)

 【キーウ共同】ロシアが侵攻したウクライナ東部と南部で22日、ロシア軍とウクライナ軍がクラスター弾を使用し、従軍記者ら双方に死傷者が出た。ロシア軍は23日未明、穀物輸出拠点の南部オデッサ州の州都オデッサにミサイルを撃ち込み、ウクライナ正教会の大聖堂や集合住宅が被害を受けたほか、1人が死亡、20人以上が負傷した。

 大量の子爆弾を広範囲にまき散らし不発弾を残すクラスター弾は非人道的兵器とされる。110カ国以上が参加するオスロ条約で使用が禁止されているが、ロシアとウクライナは加盟していない。

 ドイツ公共放送ドイチェ・ウェレは22日、東部ドネツク州でウクライナ軍を取材中だったカメラマンのエフヘン・シルコさんがロシア軍のクラスター弾による攻撃で負傷したと発表した。シルコさんは病院に運ばれ、命に別条はない。

 一方、ロシア国防省は22日、南部ザポロジエ州で取材していたロシア紙の記者団がウクライナ軍のクラスター弾で攻撃され、国営ロシア通信の従軍記者1人が死亡、3人が負傷したと発表した。

ロシアのミサイル攻撃で破壊された大聖堂の内部=23日、オデッサ(ロイター=共同)

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