福井空襲や福井地震の犠牲者を悼む「福井城址(じょうし)お堀の灯(あか)り」が7月22日夜、福井県福井市の福井城址で始まった。898個の明かりがお堀の水面を静かに照らし、訪れた市民が祈りをささげた。
空襲や震災で亡くなった人を追悼しようと、同市順化地区の住民らでつくる「順化お堀の灯り実行委員会」が毎年開いている。
点灯式が3年ぶりに同市順化公民館で行われ、実行委のメンバーや地区住民ら約30人が犠牲者に黙とうをささげた。実行委員長代理の山下徳太郎さん(69)は「世界中で戦争や災害が起こる今だからこそ、地域住民が一体となって鎮魂することに意味がある」と話した。
大小の円形の台にLEDランプを固定し、お堀に浮かべた。日が沈むと幻想的な雰囲気に包まれ、同市の市民(24)は「水面に反射する明かりはまるで絵画のよう。こうした取り組みを通じて歴史を伝えていくのは大事」と話した。
⇒福井空襲からの復興祝った「花電車」福井鉄道が情報求める
29日まで。点灯時間は午後5~11時。