クワガタ似でも全くの別種 毒液出す真っ赤な昆虫、ヒラズゲンセイ 兵庫県内で発見相次ぐ

稲美町内で見つかったヒラズゲンセイ=稲美町加古

 鮮やかな赤色のクワガタのような昆虫「ヒラズゲンセイ」が、兵庫県稲美町内で見つかった。攻撃性はないが毒液を出すことがあり、人の皮膚に触れると炎症を起こし水ぶくれができるため注意が必要という。

 発見したのは、同町加古の養蜂家の男性(35)。仕事で同町内の材木店に出向いた際、あおむけになってバタバタしているヒラズゲンセイを見つけ、採集した。体長は3センチほど。男性は「地元で見るのは生まれて初めて」と驚く。

 人と自然の博物館(三田市)の山田量崇研究員(45)によると、ツチハンミョウ科の甲虫で、クワガタとは全くの別種。クマバチの巣に寄生し、幼虫はクマバチが集めた花粉団子を食べて成長するという。高知や徳島県などに生息しているが、兵庫県内でも発見例が増えている。山田さんは「生態を含めて未知の部分が多い昆虫」と話している。(宮崎真彦)

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