スペイン右派、第1党に 過半数届かず、再選挙も

スペイン・マドリードで両腕を上げる野党、国民党のフェイホー党首=24日(ロイター=共同)

 【マドリード共同】スペイン下院(定数350)総選挙の投開票が23日行われ、中道右派の野党、国民党が136議席で第1党となった。ただ議席獲得数は当初の予想より少なく、反移民の極右政党ボックス(VOX)と連立を組んでも過半数には届かない。ボックスは2019年の前回総選挙の52議席から33議席へ大幅に後退した。

 サンチェス首相が率いる穏健左派の与党、社会労働党は122議席。31議席の左派連合スマールなど他の左派政党と連立を組んでも過半数獲得は厳しい情勢。今後は各党の連立協議が焦点となるが、少なくとも数週間はかかる見通しで難航は必至。まとまらなければ再選挙の可能性もある。

 スペインは年末まで欧州連合(EU)の議長国で、政局の混迷が続けばEUの運営にも影響を与えかねない。

 国民党のフェイホー党首は支持者らの前に現れ「政権樹立に取り組む」と約束。サンチェス氏は「国民党とボックスによる後ろ向きの同盟は失敗に終わった」と述べ、左派が事実上勝利したと主張した。

総選挙の集計を行う担当者たち=23日、スペイン・ロンダ(ロイター=共同)

© 一般社団法人共同通信社