【DDT】来日5年目のクリス・ブルックスが悲願のKO-D無差別級王座初戴冠!元王者で因縁深き入江茂弘が9・9大田区で挑戦へ

DDTプロレスが7月23日、東京・両国国技館で真夏のビッグマッチ「WRESTLE PETER PAN 2023」を開催した。

2019年6月より同団体に参戦している“英国戦士”クリス・ブルックスが火野裕士を破り、KO-D無差別級王座を初戴冠。かつてDDTに所属した元王者の入江茂弘が9月9日、東京・大田区総合体育館で挑戦することが決まった。

傷めている右肩にテーピングを施してきたクリスは、火野の強烈なチョップを食らうと苦悶の表情。それでもクリスはエルボー連打、チョップ合戦にも応じた。さらにトペを敢行し、エプロンからドロップキック。火野はフロントスープレックス、投げ捨てジャーマン。クリスはグラウンドでの変型オクトパスストレッチで絞め上げるも、火野は力で持ち上げ叩きつけた。

その後も火野はラリアット、パワーボムと力任せに攻撃。クリスは雪崩式ダブルアーム・スープレックス、パイルドライバー、ダイビング・ダブルニードロップ、プレイングマンティスボムと怒涛の攻めも、火野はフォールを許さず。火野はラリアット、エクスプロイダーで反撃も、クリスは丸め込みから飛びヒザ連打。

後ろ手の火野にハイキックを連発すると、火野が崩れる。チャンスと見たクリスは蒼魔刀からプレイングマンティスボムを叩き込んで火野をマットに沈めた。

特別立会人の小橋建太氏からベルトを手渡されたクリスは「今チャンピオンですね。初めての挑戦者、誰?」と言うと、欧州マットでクリスと因縁深い入江が登場。

この日、復帰戦の納谷幸男をビーストボンバーで粉砕してインパクトを残した入江は「クリス、オマエは海外でトーナメント優勝して、チャンピオンになった。素晴らしいレスラーや。でも、もう一人、海外でトーナメント優勝して、チャンピオンになった素晴らしいレスラー知ってるんや。それは、この俺や。次の挑戦者、入江茂弘や!」とアピール。クリスは「私たち、昔英国、ドイツで試合した。でもまだ日本で試合してない。やりましょう」と快諾し、9・9大田区での王座戦が決定した。

バックステージでクリスは「15歳の時に部屋にDDTのポスターが飾ってあって、日本に来たかったけど、突拍子もないことだと思って口には出して来なかったけど、今ここにいる。自分がこの場にいることがふさわしいとはまだ思えないけど、これからも全力を尽くしていく。明日死んでも後悔がないと言えるくらい。ヒノさんは強かった。悪いんだけど、いいチャンピオン。ホント尊敬する」と話した。初V戦の相手になる入江について、「イリエとはヒストリーがある。出てきたのがイリエでうれしかった。英国にいた頃、イリエをブッキングしたことがあった。イリエがwXwでトーナメントに勝ってチャンピオンになったが、自分も出ていたので、その頃からの歴史。DDTに来る前から知ってた。DDTに行くことを最初に伝えた一人がイリエだった。イリエもDDTの歴史の一部でもあるし、これ以上ない相手が出てきてよかった」と感慨深げに語った。

王座から陥落した火野は「この1週間、ワシにちょっとでも追いつこうと新技。急なんで見たことない。そんなん出してきて、いつまでも食らっていたいなと思って。いつもの悪い癖が出て食らいすぎた。負けは負けや」とサバサバした様子。

挑戦が決まった入江は「この団体を辞める時、入江茂弘が必要な時、また呼んでくださいと言って。このタイミングで呼んでもらって、このタイミングでクリスがチャンピオンになって、ここは僕が行くところだなと思ったので、所属でもない自分が行かせてもらいました。クリスとは英国で負けて、ドイツでは勝って、1勝1敗。日本で決着をつけるのが楽しみ。DDTの最高峰のベルトを僕が持って、世界を回ってくる。DDTのベルトをもっと世界に広められるのは僕しかいない。一発でベルト獲ります」と早くもベルト獲りを口にした。

また、1年4ヵ月ぶりの両国大会を総括したCyberFight彰人副社長は「前回の両国はまだ声を出せない状態だった。声を出せるようになって、4年ぶりの両国大会。お客さんも初めは探り探り声を出していた感じがします。だけど試合が進むに声援のボリュームも上がっていって、メインにはものすごい声援が送られて。やっと日常が戻ってきたのかなと感じる大会になりました。過去、現在、未来とつながるような、DDTが点と点でつくってきたものを一気に線でつなげたような。“ハッピーエンドでよかったね”だけじゃなく、トゥー・ビー・コンティニューがあるような大会になったんじゃないかと思いました。今のプロレス界でDDTにしかできないんじゃないかと思えるような多様性のある大会だったと思います。ここから9・9大田区、11・12両国とビッグマッチが続きますけど、次につながるいい大会だったんじゃないかと思います」とコメントした。

【大会名】WRESTLE PETER PAN 2023
【日時】2023年7月23日
【会場】東京・両国国技館
【観衆】3465人(満員)

▼オープニングマッチ 30分一本勝負
○正田壮史 vs 須見和馬●
6分48秒 片エビ固め
※正田のチカラKOBUムキムキ

▼第二試合 30分一本勝負
高木三四郎&○川松真一朗&夢虹
vs
高梨将弘&小嶋斗偉&瑠希也●
8分30秒 体固め
※下町ロケット

▼第三試合 3WAY6人タッグマッチ 30分一本勝負
土井成樹&大鷲透&平田一喜
vs
藤田ミノル&MJポー&○KANON
vs
鈴木鼓太郎&岡田佑介&高鹿佑也●
11分45秒 片エビ固め
※ベトナムドライバーⅡ

▼第四試合 30分一本勝負
○飯野“セクシー”雄貴&男色“ダンディ”ディーノ&今成“ファンタスティック”夢人 with カチキレ久弥
vs
彰人●&高尾蒼馬&下東由朋 with ブチギレ氏原
9分42秒 片エビ固め
※セクシー・キャノン

▼第五試合 スペシャルタッグマッチ 30分一本勝負
○ちぃたん☆&ポコたん
vs
アンドレザ・ジャイアントパンダ&スーパー・ササダンゴ・マシン●
11分50秒 体固め
※ちぃ☆ポコトリガー

▼第六試合 KO-D6人タッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>樋口和貞&中津良太&●石田有輝
vs
<挑戦者組>坂口征夫&赤井沙希&岡谷英樹○
9分27秒 片エビ固め
※ダブルアーム・スープレックス。ハリマオが初防衛に失敗、Eruptionが第52代王者組となる。

▼第七試合 スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
●TAKAみちのく vs MAO○
13分11秒 片エビ固め
※フェニックス・スプラッシュ

▼第八試合 スペシャルタッグマッチ~納谷幸男復帰戦 30分一本勝負
HARASHIMA&●納谷幸男 vs 秋山準&入江茂弘○
13分25秒 体固め
※ビーストボンバー

▼第九試合 スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
○KONOSUKE TAKESHITA vs 上野勇希●
12分53秒 体固め
※コーナーへのブレーンバスター

▼第十試合 DDT UNIVERSAL選手権試合 60分一本勝負
<王者>●遠藤哲哉 vs マット・カルドナ○<挑戦者>with ステフ・デ・ランダー
15分43秒 片エビ固め
※レディオサイレンス。遠藤が2度目の防衛に失敗、カルドナが第11代王者となる。

▼セミファイナル 株式会社メキシコ観光 presents ドラマティック・ドリームマッチ 30分一本勝負
○エル・デスペラード vs 佐々木大輔●
20分32秒 ヌメロ・ドス

▼メインイベント グッドコムアセット presents KO-D無差別級選手権試合 60分一本勝負
<王者>●火野裕士 vs クリス・ブルックス○<挑戦者>
21分4秒 片エビ固め
※プレイングマンティスボム。火野が3度目の防衛に失敗、クリスが第81代王者

<写真提供:DDTプロレス>

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