車のナンバー「358」が最多、その理由とは? 車社会の沖縄で数字に求められる縁起 人気集中で抽選対象の番号も<沖縄DEEP探る>

 近年、全国的に車のナンバープレートの番号で「358」の人気が高まっている。ナンバープレートを発行している沖縄総合事務局陸運事務所(陸運)によると、沖縄県内でも実数は公表していないものの、1998年の希望番号予約制度開始以降の統計調査で、358は最も発行数の多いナンバーだという。担当者は「風水で縁起が良い数字だからだろう」と推測する。

 
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 358ナンバーが人気な理由として、ネット上などでは、風水で「3」は金運・発展、「5」は財運、「8」は最高の数字、の意味があるからだという情報が流布されている。

 東京や沖縄、海外などで活動する占い師のサトリーヌ・FUJIWARAさんによると、姓名判断の時に使う手法を用い、3、5、8を分解して考えると、3が大吉、5が大吉、8は吉だが末広がりの意味を持つため、縁起がいいという。また、3、5、8を足した16は大吉数で「神様から助けてもらえるとされるエンジェルナンバー」(サトリーヌ)という。

 358にさらに8を足した「3588」は、それぞれを足した数が金運が良くなるとされる「24」になる。

 サトリーヌさんは「『358』は大吉の詰まった縁起のいい数字だ。そのナンバープレートを持っている人もそうだが、ナンバーを見た人も幸せになれる」と解説した。

 一方、ナンバープレートの番号が事故の有無に直接関係する科学的な根拠はない。実際に、幸運を呼び込むため「358」をわざわざ選んでも、交通事故の不運に見舞われる事例もあるようだ。県内で事業を展開する保険会社の担当者は「日頃から事故を起こさないように気をつけている人がお金を出して縁起のいい番号を選んでいると思うが、358のナンバーの事故はある」と話した。

 「358」はどうやって獲得できるのか。ナンバープレートの番号を希望する場合は、抽選と自由選択の2種類がある。希望番号予約制度が開始される98年以前は、順番に振られるナンバーがあてがわれていたが、好きな番号をつけたいという車両所有者からの声が大きくなったことを受け、同制度が導入された。

 希望番号予約制度は、ひらがな1文字の部分と、「沖縄」などのナンバープレート発行地名、車両種別を示す3桁の数字は選択できないが、ナンバープレート中央の番号については好きな数字を選べる。

 番号を希望しない場合の交付手数料は2千円前後となる一方、希望番号は約2倍の4千~5千円程度かかる。大きなサイズのナンバープレートや、発光ダイオード(LED)などで発光するものなどで金額は高くなるが、番号そのものの価格は人気度合いなどによって変わることはない。

 琉球ダイハツ販売のディーラー担当者は「希望番号にする人は半分以上という印象を受ける。縁起がいいとされる358にする人はとても多い」と話す。同じ理由で、3588の人気も高まっているという。

 358以外には「末広がり」の意味を持つとされる「8」を用いた8008や、1122(いい夫婦)、2525(にこにこ)、1188(いい母、いいパパ)など、語呂に合わせた数字が好まれる傾向がある。

 陸運によると、358など人気の番号に希望が集中しても、使用できるひらがなの数を増やしたり、3桁の数字にアルファベットを使用したりするなど柔軟に対応できるため、交付数に制限は設けていない。

 一方、人気が集中するため、抽選対象のナンバーもある。98年の希望番号予約制度開始時に決められた1、7、8、88、333、555、777、888、1111、3333、5555、7777、8888の13種類だ。県自動車標板協会によると、抽選は毎週月曜にコンピューターによる自動抽選が実施されており、当選者が晴れてこれらの番号をナンバープレートにつけることができる。13種類の番号のみがこれまで25年間、抽選の対象となり続けている。

 陸運の担当者は「今後358の人気が高まれば、抽選番号になる可能性もある」と話す。科学的根拠はなくとも、無事故で安全に車を利用したいドライバーたちによる「縁起の良い」ナンバーを求める動きは車社会の沖縄で今後も続きそうだ。

 (與那覇智早)

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