侵攻後 初の広島公演…ウクライナ国立バレエ 平和への思い

可憐に舞っているのはウクライナ国立バレエのダンサー。ロシアによる侵攻でウクライナを離れたメンバーも多かった中、去年から海外公演を再開し広島公演が25日に開かれます。被爆地・広島でどんな思いで公演にのぞむのか、その思いにせまります。

150年の歴史をもつウクライナ国立バレエ。ウクライナ侵攻後としては初めてとなる広島公演が25日に5年ぶりに開かれます。中心で踊るのはこのバレエ団で最年少18歳のカテリーナさん。

広島に到着した24日、一番最初に訪れたのは平和公園でした。

カテリーナ・ミクルーハさん「ウクライナで戦争が続き、毎日多くの人が亡くなっている中広島に来て、命の大事さを今まで以上に感じた」

今も続く、ウクライナ侵攻。日本へ向かうためキーウを出発する時にも攻撃を知らせるサイレンの音が鳴り響いていたといいます。

午後からカテリーナさんたちは平和活動に取り組んでいる中・高生との交流会に参加しました。

カテリーナさん「私にとって平和とは家族。毎日一緒に家族と過ごす時間が非常に大事で幸せな時間。でもロシアからの攻撃でいつ幸せや家族を失うか分からない。本当に一日でも早く平和なウクライナが来るのを祈っています」

カテリーナさんにとって初めてとなる広島公演。被爆地だからこそ伝わるものがあると強い思いを持っています。

カテリーナさん「広島の街で1945年に非常に悲しい出来事があったからこそウクライナ国民の今苦しい気持ちを分かってくれると思う。広島の人達に素晴らしい踊りを見てほしい。そして広島の人たちが私たちの芸術を見て楽しんでくれると思うので私としては100%の踊りを踊りたい」

交流した高校生「人が亡くなるところや爆弾が降ってくることの想像できない。頭で考えるしかできない。直接体験した人の話を聞くことで想像しやすくなる。鮮明になる」

25日に広島の地でウクライナからの平和の願いが発信されます。

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