【カンボジア】選挙で与党が120議席獲得=現地メディア[政治]

カンボジアの現地紙クメール・タイムズ(電子版)は24日、同国で前日に行われた第7回下院議会選挙(総選挙)で、フン・セン首相率いる与党の人民党が全125議席中120議席を獲得すると伝えた。フン・セン政権は7期目に突入する見通しだが、早々に同氏の長男であるフン・マネット氏に首相の座を禅譲する可能性もある。

クメール・タイムズは、23日夜の時点で総投票数の3分の1が開票されたと報道。信頼できる関係者からの情報として、人民党が120議席、フンシンペック党(民族統一戦線)が5議席をそれぞれ獲得する見込みだと伝えた。

開票結果については、ロイター通信が23日、人民党のソク・エイサン報道官が、「わが党は地滑り的に勝利した」と語ったと伝えていた。

5年ぶり7回目となる今回の総選挙は、人民党など18の政党が全125議席を争った。ただ、国家選挙管理委員会(NEC)は5月、有力政党であるキャンドルライト党の選挙登録を拒否しており、選挙では人民党が圧勝するとの見方が広がっていた。人民党は2017年に当時の最大野党だった救国党を解党に追い込み、18年に行われた6回目の総選挙で全議席を独占した。

現地メディアによると、23日は現地時間の午前7時に投票が始まり、午後3時に締め切られた。フン・セン氏は同日朝、南部カンダル州タクマオにある投票所を妻と共に訪れて投票を済ませた。設置された投票所の数は2万3,789カ所だった。

選管によれば、投票率は午後1時時点では74%だったが、午後4時には84%に達した。地域別では、首都プノンペンが約86%、南部のカンダル州とケップ州がそれぞれ約89%、約92%などとなっている。

選挙結果を受け、フン・セン氏は組閣作業に入るものとみられる。同氏は6月に、8月末までに閣僚を決めて新政権を発足させる考えを示していた。

首相の座を早々に、フン・マネット氏に譲る可能性もある。クメール・タイムズ(電子版)は22日、フン・セン氏が3~5週間以内にマネット氏が首相の座に就くことができると発言したと報道。24日には、フン・セン氏が香港メディアの取材に対し、向こう3~4週間でマネット氏が首相の座を引き継ぐ可能性があると答えたとも伝えた。

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