●参加者、若衆確保が困難に
650年以上続くとされる宝達志水町伝統の神事相撲「蓮華山大相撲」(北國新聞社後援)が今年10月の開催も見送られることが決まった。中止は5年連続。新型コロナの5類移行に伴い開催準備に入ったものの、競技人口の減少で参加者確保にめどが立たなかった。同時開催してきた子供大会は規模を縮小しての復活にこぎ着けたが、町民からは「相撲のまちの伝統を守っていけるのか」と継承を不安視する声が上がっている。
蓮華山大相撲は、同町子浦にある真宗大谷派専勝寺と子浦出雲神社の奉納相撲。古式にのっとって毎年10月17日、かがり火を四隅にたいた蓮華山相撲場で、加賀、越中、能登の力自慢による熱戦が繰り広げられてきた。
ただ、古くから草相撲が盛んに行われてきた相撲どころであっても、出場者を集めるのが年々難しくなった。
主催する蓮華山相撲協会は2012年以降、参加しやすいように10月17日が平日の場合は直近の土曜に開催日を移し、子供大会と合わせて100人規模の出場を維持してきた。
しかし、19年の大相撲大会は台風で休止となり、20年からはコロナ禍で開催が見送られた。関係者は「4年の空白期間ができたことで、いざ参加者を集めようとしても難しくなってきた。大会を支える若衆の確保もままならない」とこぼす。
関係者からは「大会を開催できなければ、町の相撲熱はどんどん下がるだけだ」と危惧する声も上がっている。蓮華山相撲協会の浄光寛会長(57)は「歴史ある相撲場を後世に残すため、来年こそは大相撲を必ず復活させたい」と話した。
●子供相撲大会は10月14日に開催
「蓮華山子供相撲大会」(北國新聞社後援)は10月14日に開催される。3人ずつ出場する小学校対抗の団体戦、3年以下と4~6年の個人戦を行ってきたが、今年は男女の個人戦のみとなる。大会復活を求める声に応えたが、団体戦は児童が集まらないと判断したという。